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]]>The post 4月28日*おたかのシネマでトーク first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>大当たり~!といっても、全てのノミネート作品を観たわけじゃないけど、きっと作品賞に輝くんじゃないかと思った私の予想は大当たり!
出会ったとたんに魅せられてしまうってことってあると思うし、私にとって「ノマドランド」は、そんな作品。
そして、作品賞、クロエ・ジャオの監督賞、フランシス・マクドーマンドの主演女優賞と、堂々の3冠に。
今まで、監督賞に輝いた女性は2010年の「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグローがいるが、白人以外の女性では、クロエ・ジャオが初。昨年のポン・ジュノ監督に続き、アジア系監督が2年続いて受賞するのは画期的。
といっても、北京生まれのクロエ・ジャオは15歳の時にアメリカにわたり、アメリカで教育も受けているので、ルーツは中国人でも、もはやアメリカ人の感覚なのかもしれないが? だからだろうか、彼女の発言を、中国は快く思っていないところもあるようだ。でもこのところ、コロナのせいでひどい差別と暴力に晒されているアジア系の人々にとって、彼女の受賞は正に快挙だったに違いない。
かつて、演技部門にノミネートされた20人全員が白人だったことから“白すぎるオスカー”と批判を浴びて以来、多様化を目指して改革を行ってきたアカデミー賞。今年のノミネーションは実に多様な顔ぶれだった。
主演男優賞に「ミナリ」のスティーヴン・ユアンがアジア系アメリカ人として、「サウンド・オブ・メタル~聞こえるということ」のリズ・アーメッドがムスリムとして、史上初めてノミネートされたし、女性監督が監督賞に複数ノミネート(クロエ・ジャオ監督と、「プロミシング・ヤング・ウーマン」のエメラルド・フェンネル監督)されたのも史上初。
助演女優賞に輝いた「ミナリ」のユン・ヨジュンは、ナンシー・梅木以来なんと63年ぶりにアジア系女優の受賞者となった。
新型コロナウイルスの世界的な大流行を受けて、約2か月遅れで開催されることになり、従来のハリウッドのドルビーシアターだけでなく、ロスのダウンタウンにあるユニオン駅やロンドンなど海外の会場も繋ぎ、厳重な感染対策を実施して中継のカメラが回っている部分ではマスクも外し、華やかなドレスでレッドカーペットを歩くスターを見ることが出来るという今考えられうる最良の演出で授賞式をプロデュースしたのは、あの未知の致死性ウイルスの恐怖を描き、コロナを予言したみたいと再注目された「コンテイジョン」のスティーブン・ソダーバーグ監督とプロデューサーのステイシー・シェアたち。
女性、アジア系、高齢者の活躍・・・、いくつかのキーワードが浮かび上がってきた今年のアカデミー賞。
年を重ねたベテランの活躍は頼もしく、「ノマド」で主演女優賞に輝いたフランシス・マクドーマンドは63歳。プロデューサーとしても深く関わって来たこの作品で、3度目の受賞を果たした。
助演女優賞のユン・ヨジョンは73歳、短編ドキュメンタリー賞受賞の「コレット」は90歳のコレット・マリン=キャサリンを追ったものだし、74歳のグレン・クローズも助演女優賞にノミネートされていたし、今年83歳になるアンソニー・ホプキンスは「ファーザー」で、2度目の主演男優賞に輝き、史上最高齢の最優秀俳優賞となった。
昨年亡くなったチャドウィック・ボーズマンの死後の主演男優賞受賞が叶わなかったのは残念だったけど、83歳のホプキンスの快挙には、勇気づけられる年配者も多いだろう。
まさか受賞するとは思わなかったのだろうか?式に出席することもなく、自宅で寝ていたというのも、どこか微笑ましい。
コロナ禍の影響は大きく、映画もまだまだ受難の時が続きそうだが、こんなにも多くのスターたちを集め、リアルで授賞式が開催されたのは、これからのいろんな可能性を広げていく上でも、大きなチャレンジになったようだ。
★おたか★
The post 4月28日*おたかのシネマでトーク first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>The post 4月21日*おたかのシネマでトーク「椿の庭」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>今日は「 椿の庭 」をご紹介しました。
監督:上田義彦
キャスト:富司純子
シム・ウンギョン
田辺誠一
清水綋治
チャン・チェン
他
写真界の巨匠で、サントリーや資生堂、トヨタなどの広告写真でもおなじみの上田義彦が、構想から15年、自らカメラを回してフィルムで撮影したという初監督作品。
本当にどのシーンを切り取っても絵になるのは流石だし、観ているうちになんか懐かしく優しい気持ちになるのは,今流行りのデジタルとは無縁の作り方だからなのかと、納得。
葉山の海を見下ろす古い家。
女主人の絹子(富司純子)は、四季折々の花を咲かす庭を愛で、亡くなった金魚を花びらに包んで庭に埋葬するなど、丁寧に暮らしを楽しんでいた。
駆け落ちして家を出た娘が事故で亡くなり、その忘れ形見の渚(沈恩敬)との二人の生活。
夫の四十九日の法要が終わり、東京住まいの娘陶子(鈴木京香)からはうちに来て一緒に暮らさないかと誘われる。
勿論、姪の渚も一緒に・・・と言われても、ここでの暮らしを愛する絹子にとっては、気が進まない申し出だったが、同じ頃、税理士の黄(張 震)から、相続税の為に、家を手放した方がいいという話をされ、心が塞ぐ。
藤の花が散り、アマガエルが顔を出し、桃を食べると又夏が来たなと嬉しくなる・・・と初夏の自然を楽しみ、お盆には夫の友人の幸三(清水綋治)が訪ねてきて、ひと時思い出の曲をレコードで聴きながら懐かしい話に花が咲いた。
ところが、今までの疲れからか、絹子が突然倒れ病院に担ぎ込まれる。
駆け付けた陶子からも高齢だから心配だし、改めて身の振り方を考えてほしいと言われ考え込み、“この家を離れたら、ここでの家族の記憶やそういうものすべて、思い出せなくなってしまうのかしら?”と一抹の不安を感じながらも、今後のことを考えようとする絹子。
黄の紹介で家を見に来た誠実そうな男(田辺誠一)は、家と庭の素晴らしさをほめちぎり、大切に使わせてもらうので是非譲ってほしいと言い、その言葉に絹子は心を決め、少しずつ荷物の整理を始める。
幸三と聴いた、昔を鮮やかに思い出させてくれる歌、ブラザース・フォーの歌う“トライ・トゥ・リメンバー”は、元々1960年にニューヨークで幕を開けたミュージカル「ザ・ファンタスティックス」の中で歌われる歌。
“9月のことを思い出してごらん、ゆっくりと柔らかな時が流れていたあのやさしい9月を・・・”と昔を懐かしむこの歌は、年を重ねてから聴くと、自らの懐かしい“思い出”にオーバーラップして、涙してしまう人も、多いのではないだろうか?
渚が詠む与謝野晶子の詩「歌はどうして作る」には、この映画全体で伝えたいことを託したという監督。
バイクの音、風の音、雷鳴といった聴覚的なもの、庭を彩る数々の花、桃やスイカといった視覚的な美しさ、そこここに、監督のこだわりや思いが散りばめられている。
こだわりを持って選んだという出演者、中でもオファーを断られたらこの企画自体を断念しようと思ったという主人公の絹子役の富司純子。なんと14年ぶりの主演で、彼女自身“75歳にしてこれが私のベスト1!”という程のほれ込みようで、かつて「緋牡丹博徒」シリーズのお竜役で一世を風靡した彼女曰く“今は緋牡丹より椿”なんだそう。
「新聞記者」で日本アカデミー賞の優秀主演女優賞に輝いた沈恩敬もいい味をだしている。
フィルムに写った光の記憶その真実を大切にしたい、シンプルにカメラ一つあれば撮れるんだよという映像で勝負したいという監督の取り組みから生まれた心洗われる作品。
移ろう日常を切り取って今を定着させた1シーン1シーンは、本当に美しく心に残る。
★おたか★
The post 4月21日*おたかのシネマでトーク「椿の庭」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>The post 4月14日*おたかのシネマでトーク「21ブリッジ」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>今日は「 21ブリッジ 」をご紹介しました。
監督:ブライアン・カーク
キャスト:チャドウィック・ボーズマン
シエナ・ミラー
ステファン・ジェームズ
キース・デビッド
テイラー・キッチュ
他
本当にもったいないと思う。
溢れる才能を持ちながら、43歳で昨年の8月28日にこの世を去ったチャドウィック・ボーズマン。
実は彼は今年の第93回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされていて、死後にオスカーを受賞する3人目の男優になる可能性が高いと言われているのだ。
でもそれは今日紹介した映画ではなく、Netflixで去年の11月から配信されている「マ・レイニーのブラックボトム」というブルースの母と呼ばれた実在の歌手と野心家のトランぺッターを通じて、理解し合えない人種間の根深い問題を描いている作品の、トランペッターのレヴィ―役でのノミネート。
他にも同じNetflixのオリジナル映画、スパイク・リー監督の「ザ・ファイブ・ブラッズ」で演じたベトナム戦争の黒人部隊のノーマン隊長役でも高い評価を得ている。
これらの作品の撮影はガンとの闘病を続けていた時期に行われていて、病状をごく一部の人にしか知らせていない中、治療を受けながら撮影が行われたようだ。
で、彼の遺作となったのは2020年の「マ・レイニーのブラックボトム」だが、この「21ブリッジ」は劇場公開映画としてのラスト作品で、主演だけでなくプロデューサーとしても関わっている。
13歳の少年が父親の葬儀に参列しているシーンから始まるのだが、殉職した偉大な警察官だった父を殺した犯人に対する強い怒りを持ちながら、19年後、その少年アンドレ・デイヴィス(チャドウィック・ボーズマン)はNYPD(ニューヨーク市警)の殺人課の刑事になっていた。
ある夜、ブルックリンのレストランにレイ(テイラー・キッチュ)とマイケル(ステファン・ジェームズ)という2人の男が押し入った。地下のワインセラーに隠されたコカインを盗むという仕事を請け負った彼らがそこで見たのは聞かされていた量の10倍もの大量のコカイン。嫌な予感がしたタイミングで、なぜか警官たちがやってくる。
そこで激しい銃撃戦となり、レイ達は警官たちを射殺して逃げる。
凄惨な現場にやって来たアンドレに、NYPD85分署の署長のマッケナ警部(J・K・シモンズ)は、優秀な麻薬取締班のフランキー・バーンズ刑事(シエナ・ミラー)とチームを組んで捜査に当たるように言う。
レイとマイケルは麻薬を換金してニセの身分証を作ってくれるというアディ(アレクサンダー・シディグ)のところに行くが、なぜかそこにもNYPDの警官たちが駆けつけてきて銃撃戦になり、なんとアディは撃たれ、死に際にUSBをマイケル達に託す。
なにかおかしい・・・と感じるマイケルたち。同時に彼らを追うアンドレも、どこか違和感を感じ出していた。
そして、彼らを殺さず捕まえて事件の真相を探ろうと、逃げ込んだマンハッタン島を21の橋、トンネル、鉄道、すべてを止めて、完全に封鎖する作戦に出る。
1973年のシドニー・ルメット監督の「セルピコ」は、NYPDに蔓延する汚職や腐敗に立ち向かう警察官を描いた実話で、アル・パチーノが演じたフランク・セルピコの、公的権力への信頼を失っていた70年代のアメリカで、瀕死の重傷を負いながらも法の精神に忠実であろうと孤軍奮闘する姿を描いた名作だったが、どこかあの映画を思い出すような展開は、本当にスリリング!
監督はTVの「ゲーム・オブ・スローンズ」などを撮っているアイルランド出身のブライアン・カーク。
製作はあの“アベンジャーズ”シリーズのアンソニーとジョーのルッソ兄弟。
チャドウィック・ボーズマン、2008年「エクスプレス 負けざる男たち」でアメリカンフットボール選手のフロイド・リトルを演じ、2013年「42~世界を変えた男~」で伝説の野球選手ジャッキー・ロビンソンを、2014年の「ジェームス・ブラウン~最高の魂を持つ男」ではあのジェームス・ブラウン・・・と実在の人物を見事に演じ、2018年「ブラックパンサー」ではマーベルコミックのスーパーヒーロー、ブラックパンサーで、ワカンダの若き王でもあるティ・チャラを演じて人気を博し、続編の製作も決まっていた中での突然の訃報には本当にビックリした。
配信も含め公開作品が続いていて、まだ亡くなったことが実感できないところもあるが、痩せた頬とかすれた声には心が痛む。
今年、是非オスカーに輝いてほしい・・・と、心から思うのだ。
★おたか★
The post 4月14日*おたかのシネマでトーク「21ブリッジ」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>The post 4月7日*おたかのシネマでトーク「モンスターハンター」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>今日は「 モンスターハンター 」をご紹介しました。
監督:ポール・W・S・アンダーソン
キャスト:ミラ・ジョヴォヴィッチ
トニー・ジャー
ティップ・“T.I.”・ハリス
ミーガン・グッド
ディエゴ・ボネータ
他
20年近く前、脚本兼監督のポール・W・S・アンダーソンと主演のミラ・ジョヴォヴィッチはテレビゲーム会社のカプコンや、ドイツの大手独立プロデュース兼配給会社のコンスタンティン・フィルムと手を組み、大人気のゲーム“バイオハザード”を映画化した。2002年の「バイオハザード」は大ヒットし、計6本のシリーズとなり12億ドルの興行収入をあげ、特にアジアを中心に、TVゲームの映画化作品としては史上最高の成功を収めた。
そしてその製作チームが再び結集して作ったのがこの映画「モンスターハンター」。
元々、カプコン史上最高の1640万本以上売れた大人気のゲームで、監督のポール・W・S・アンダーソンは、2008年頃にやり始め、その面白さに翌年には映画化の話をカプコンにもちかけたのだとか。
その後、何度も来日し、ゲームに益々はまりながら映画化を考え、2018年に世界中のファン待望のゲーム“モンスターハンター:ワールド”が発売されたことをきっかけに、一気に映画化へと進んでいった。
このゲームは物語がメインになっていないので自由にストーリーを創り出すことが出来たのも、映画化にはもってこいだった。そして、元のゲームから離れず、モンハンのシリーズ全体に対して敬意を払っているところも好感を持ってこの映画が迎えられているポイントの一つなのだろう。
国連合同軍事演習のリーダーで特殊部隊を率いるベテラン隊員のアルテミス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。
エリート隊員6人のチームは行方不明になった仲間を探すうち、巨大な砂嵐と共に、異世界に迷いこんでしまう。
そこにはディアブロス亜種という巨大なツノを持ち、体全体が黒い甲羅のような鱗に覆われたモンスターを皮切りに、濃い赤と真っ黒な配色の火を巧みに操るリオレウス、蜘蛛のような素早い動きと、サソリのような毒のあるとげを持つネルスキュラ、シュモクザメのようなガレオス、草食ながらスパイクのついたこん棒のような尾の破壊力がハンパないアプケロスなど、想像を絶するモンスターたちがいて、そんな世界で、モンスター相手に戦うミステリアスなハンター(トニー・レオン)と出会い、共に立ち向かうこととなる。
ムエタイ、テコンドー、柔術、剣、体操の達人のトニー・ジャーは「マッハ!」をはじめ数々の映画で、リアルにすごい本物のアクションを見せている。
ベテラン俳優でモンスター映画のレジェンドと言ってもいいロン・パールマンがモンスターハンター達のリーダー大団長役で参加していたり、ヒップホップアーティストで俳優のティップ・“T.I.”・ハリスやメキシコ人俳優のディエゴ・ボネータ、ミーガン・グッド、ジョシュ・ヘルマン、オウヤン・ジンら、隊員それぞれのバックグラウンドもちゃんと描かれているので、彼らをより身近にリアルに感じられる。
リアルと言えば、CGやクロマキー合成ではなく、映画の80%が実在の場所でロケされていて、その景色を活かすことで、その中ではモンスターたちも、よりリアルに見えるのだろう。南アフリカのケープタウン近郊やその少し北のナミビアの海岸砂丘や洞窟などでも撮影し、セットを組んでその続きを撮ったりもしたらしく、ロケ地巡りは昨今のブームだけれど、この作品に関しては行きたいという人はあまりいないのでは?
日本からは、「ブレイブー群青戦記」の山崎紘菜が参加して、頑張っている。
アルテミス役のオファーに、『ゾンビの次はモンスター?これって冗談??』と、ミラ・ジョヴォヴィッチは笑っていたそうだが、今回の夫婦共作も息ピッタリ!流石デス!
★おたか★
The post 4月7日*おたかのシネマでトーク「モンスターハンター」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>The post 3月31日*おたかのシネマでトーク「騙し絵の牙」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>今日は「 騙し絵の牙 」をご紹介しました。
監督:吉田大八
キャスト:大泉洋
松岡茉優
宮沢氷魚
池田エライザ
斎藤工
他
神戸新聞在職中に小説家デビューした塩田武士。山田風太郎賞を受賞した2016年の「罪の声」が土井裕泰監督で映画化され、まだ上映中の劇場もあるというのに、もう2本目の映画化作品が公開された。
大いに期待されたのだが、コロナ禍の為の公開延期で、手強い作品と並ぶことになり、初週の興収ベスト3に入ることが出来なかった(「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は相変わらず強いし、「モンスター・ハンター」が2位につけ、3位の「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」にも及ばなかった)のは、本当に残念。
そういえば、前作「罪の声」も、「鬼滅の刃」に負けてしまったことを考えれば、強力な作品とバッティングすれば、なかなか厳しい状況になってしまうということに納得。
斜陽の出版業界、老舗の“薫風社”創業一族の社長が急死し、会社のかじ取りを担うことになったのは機関車のニックネームを持つ専務の東松(佐藤浩市)だった。売り上げが悪い雑誌は廃刊することを始め、前社長の息子伊庭惟高(中村倫也)をニューヨークに飛ばし、外資系の投資ファンドの郡司(斎藤工)と手を組んで大改革を画策する。
カルチャー雑誌“トリニティ”の編集長速水輝(大泉洋)は、伝統ある文芸誌で、江波百合子編集長(木村佳乃)率いる“小説薫風”の編集部員で、大作家の二階堂大作(國村隼)を怒らせてしまった高野恵(松岡茉優)を部下に引き入れ、誌面の大リニューアルを敢行。
超人気モデルの城島咲(池田エライザ)の表紙、恵が目をつけていた新人作家矢代聖(宮沢氷魚)の連載という大胆な企画で部数減少に歯止めをかけるべく勝負に出ようとするが、発売直前、大変なトラブルが勃発する・・・。
作者の塩田武士が大泉洋にあて書きしたという主人公の速水輝。原作ではプライベートな部分もたっぷりと描かれているようだが、113分の映画にまとめるにあたって、そのあたりがバッサリと割愛されている。原作と異なる結末も含め、脚本を書き監督したのが「桐島、部活やめるってよ」や「紙の月」の吉田大八。楠野一郎と共に書いた脚本では、原作のどこを活かしてどこを切るかを潔く整理し、まとめ上げている。
ただ、そのバックボーンが端折られてしまったせいで、速水はヒーローなのか、悪者なのか?が掴みづらく、とらえどころがない感じだし、沢山のひとくせありそうなキャストが入り乱れての群像劇で、後半はかなりのスピードでの展開に。
あて書きされた人物を演じるのは、ある意味楽かと思いきや、あまりに大泉洋的だというのでNGが出たりと、結果、おそらくこれまでやってきた作品の中で、一番素の自分とかけ離れた映画になったと思う、と本人が言う程の大変だった速水役への挑戦。
昨年は紅白歌合戦や「SONGS」の司会、来年はNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源頼朝を演じるなど、大忙しの大泉洋。
中心にいるのにすごい存在感で迫ってこないのもいい感じで、この映画も松岡茉優のほうが主人公?って思えるところが、なんか好きです!
★おたか★
The post 3月31日*おたかのシネマでトーク「騙し絵の牙」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>The post 3月24日*おたかのシネマでトーク「ノマドランド」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>今日は「 ノマドランド 」をご紹介しました。
監督:クロエ・ジャオ
キャスト:フランシス・マクドーマンド
デヴィッド・ストラザーン
リンダ・メイ
シャーリーン・スワンキー
他
3月19日に発表が行われた第44回の日本のアカデミー賞は、最優秀作品賞が「ミッドナイトスワン」、最優秀監督賞が「Fukushima50」の若松節朗監督、最優秀主演男優賞が「ミッドナイトスワン」の草彅剛、最優秀主演女優賞が「MOTHERマザー」の長澤まさみ、最優秀助演男優賞が「Fukushima 50」の渡辺謙、最優秀助演女優賞が「浅田家!」の黒木華といった結果で、「Fukushima 50」が最多6冠に輝いて終わった。
そして、4月26日に授賞式が予定されているアメリカのアカデミー賞。そこで、作品賞の大本命と言われているのが、アジア系女性監督の初ノミネート作品のこの「ノマドランド」。
気鋭のジャーナリスト、ジェシカ・ブルーダーのノンフィクションを原作に、現代のノマド(遊牧民)たる高齢の車上生活者の生きざまを描いたロードムービー。
既に2020年のベネチア国際映画祭で金獅子賞、2020年のトロント国際映画祭で観客賞に輝いており、この2冠達成は史上初の快挙ということで、アカデミー賞に一番近い作品と言われているわけ。
監督は北京生まれでイギリスのブライトン育ち、その後アメリカに移住して政治学と映画制作を学んだというクロエ・ジャオ。
2017年、2作目の長編「ザ・ライダー」でカンヌ国際映画祭をはじめ、数々の映画祭で受賞し、今後はマーベルスタジオの「アベンジャーズ」に続く最新ヒーロー超大作「エターナルズ」の監督にも抜擢されているという、今注目の監督。
そして、「ファーゴ」と「スリー・ビルボード」で2度のアカデミー主演女優賞に輝くフランシス・マクド―マンドが主人公のファーン役を演じると同時に、製作者としても深くこの作品に関わっている。
周りのノマド達、リンダ・メイ、スワンキー、そして彼らが尊敬するボブ・ウェルズらは、それぞれ本人が演じていて、よりリアルな生活感を描き出している。
ネバダ州エンパイアはかつて石膏採掘の鉱山があり栄えた町だったが、経営困難になり閉鎖され、住民はすべて退去、郵便番号さえなくなり、町とそこでの住民の暮らしは消滅した。
60代のファーン(フランシス・マクドーマンド)は、荷物をトランクルームに預け、わずかな身の回りの荷物を“ヴァンガード(先駆者)”と名付けたフォードエコラインに積み込み、ノマドの世界に身を投じる。
冬場はアマゾンの配送センターで働き、その後は、国立公園のキャンプ場、ドーナツショップ、ビーツの収穫など、季節労働者として、いろいろな仕事場を渡り歩く。ノマドのメンター的存在のボブ・ウェルズが砂漠の外れで開く集会に参加したり、そこで出会ったデイブ(デヴィッド・ストラザーン)と共に働いたりもする。孫ができるからと息子の元へ帰った彼に招かれ、感謝祭を一緒に過ごし、このままここで一緒に暮らさないかとプロポーズされたり、車の故障を直すためのお金を借りに訪ねた姉の家でも、ここに住めば?という誘いを振り切って、元のノマドの生活に戻っていくファーン。
いつも楽しいことは家の外にあった・・・と言い、かつて代用教員として働いていた時に教えた子供にショッピングセンターで出会った時に“先生はホームレスになったの?”と訊かれ“ホームレスじゃなくて、ハウスレスなのよ”と答えるあたりに、その生き方の真髄が見えて、心に刺さる。
本物のノマドの人たちが出ていることで、ドキュメンタリーとフィクションの境目が、かなりファジーなので、よりリアルに迫ってくる彼らの生き方。
自分で選んだ自立した生き方をし、そしてどう死んでいくのかも含めて、生きるということは何か?を問いかけてくる映画なので、是非対峙し、自分なりの答えを見つけてほしいです!
★おたか★
The post 3月24日*おたかのシネマでトーク「ノマドランド」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>The post 3月17日*おたかのシネマでトーク「奥様は、取り扱い注意」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>今日は「 奥様は、取り扱い注意 」をご紹介しました。
監督:佐藤東弥
キャスト:綾瀬はるか
西島秀俊
鈴木浩介
岡田健史
前田敦子
他
2017年にオンエアされた最高視聴率14.5%、最高総合視聴率25.6%を記録した大ヒットドラマ。
2005年の、アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットが共演してこの映画でロマンスが始まり、のちに結婚し離婚したという「Mr.&Mrs.スミス」に似ている設定ということでも話題になったこのTVドラマのその後を描く、劇場映画版。
妻の伊佐山菜美(綾瀬はるか)は元特殊工作員、夫の勇樹(西島秀俊)は公安の人間で菜美の監視役という秘密を持つカップルが、お互い嘘をつきながら愛し合う夫婦として暮らしていたのだが、実は、半年前、妻の菜美はひょんなことから記憶喪失になってしまったのだ。それでも『過去なんて捨てて、あなたとの今を大事にして生きていく』という菜美と勇樹は、今は、小さな地方都市の珠海市に引っ越してきて、県立高校の数学の教師桜井裕司と妻の専業主婦久実として生活している。
二人が新生活を送る珠海市は、近くの海底に眠るという新エネルギー源“メタンハイドレート”の発掘を巡り、美しい海を守ろうという開発反対派の五十嵐(六平直政)や勇樹の同僚の生物教師矢部(鈴木浩介)らと、市長(檀れい)をはじめとする推進派とが激しい争いを繰り広げていた。
開発コンサルタントの浅沼(佐野史郎)をはじめ、この開発を食い物にしようとする者たちと、裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいることを突き止めた公安の池辺(小日向文世)が、勇樹をこの珠海市に派遣したのだが、そのロシアのメンバーの中に、かつて菜美と闘って怪我を負った諜報員ドラグノフ(セルゲイ・ヴラソフ)がいたことで、万一、菜美の記憶が戻ったら殺せと命じられた勇樹。
公安の上司神岡(鶴見慎吾)や、矢部の教え子でダイニングバーを経営しているコスプレ好きの岩尾(岡田健史)ら、敵か味方か分からない面々ともかかわりあいながら、大きな陰謀の渦中に巻き込まれたこの夫婦、愛か任務か・・・究極の選択を迫られた時、さあ、どうする・・・?!
オープニングの菜美の特殊工作員としての凄まじいバトル、クライマックスの菜美と勇樹が一緒に戦う船でのシーン、よりスケールアップしたアクションシーンはすべて二人が挑戦したもの。菜美のアクションは連続ドラマと同じくFBIの訓練にも取り入れられている東南アジアの武術をベースとしたもので、クランクイン3か月前からトレーニングに入り、撮影中も特訓を重ねたという綾瀬はるか。もともとの身体能力の高さもあって、素晴らしいアクションを繰り広げている。
二人の息がぴったり合ったアクションシーンはこの映画の見どころの一つでもあるが、初共演となった2013年の大河ドラマ「八重の桜」での兄妹役から続く仲の良さや信頼性が大きく影響しているようで、絶妙なコンビネーションは本当に素晴らしい。
長い準備期間を経て2019年の夏から秋にかけて撮影され、2020年6月に公開が決まっていながらコロナ禍によって21年3月の公開となったという紆余曲折もあり、ドラマを観ていて、あの後どうなったの?とやきもきしていたファンにとっては、待ちに待った映画版だろう。
そして、このエンディングを観て、で、どうなるの???というファンにとっては、次の展開が気になるところ。
続きはTVドラマですか?それとも、映画版パート2ですか??
★おたか★
The post 3月17日*おたかのシネマでトーク「奥様は、取り扱い注意」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>The post 3月10日*おたかのシネマでトーク「ブレイブ 群青戦記」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
]]>今日は「 ブレイブ 群青戦記 」をご紹介しました。
監督:本広克行
キャスト:新田真剣佑
山崎紘菜
鈴木伸之
渡邊圭祐
濱田龍臣
他
“週刊ヤングジャンプ”に連載されていた笠原真樹原作の人気コミックの実写映画化で、部活中の高校生が学校もろとも戦国時代にタイムスリップするというお話。
そういえばそんな設定の映画があったような・・・と思い出される方も多いかも?!
1979年に作られた「戦国自衛隊」。戦国時代にタイムスリップした演習中の自衛隊の一個小隊が、川中島で武田軍と戦うというストーリーだった。
千葉真一の芸能生活20周年記念として作られた作品なのだが、実は今作「ブレイブー群青戦記―」で主演しているのが、その千葉真一の長男の新田真剣佑なのだから、ちょっと不思議な縁を感じるのだ。
滋賀県にあるスポーツ名門校で、ある日の放課後、突然校庭の岩に雷が落ち、赤い雨が降り蝉が大量発生し、校庭の向こうに城が浮かび上がり、野武士の一団がなだれ込んできて、生徒たちを血祭にあげる。
弓道部の練習に参加していた歴史マニアの西野蒼(新田真剣佑)は、学校が丸ごと戦国時代“桶狭間の戦い”の直前にタイムスリップしたことに気づく。
織田信長(松山ケンイチ)の軍勢に襲われ、級友たちを連れ去られたことを知ると、残った生徒たちで仲間を奪還しようと作戦を練る。
武器はないけど、弓道部、剣道部、空手部、野球部、卓球部、ボクシング部、フェンシング部、アメフト部、薙刀部など日頃の部活で鍛えたアスリートたち。
それぞれの競技の特性を生かして、なんとか織田信長と戦い始めた彼らの前に救世主のごとく現れたのが、のちに徳川家康となる松平元康(三浦春馬)。
元康の助けを借りて、信長の城の奥に捕らえられた仲間を助け出し、時間までに学校に戻り、再び現代に帰ってくることが出来るのか・・・?
とにかく若手のイケメン俳優たちのオンパレード。
新田真剣佑を筆頭に、鈴木伸之、鈴木仁、渡邊圭祐、福山翔太、飯島寛騎、濱田龍臣、長田拓郎、足立英、そして蒼の幼馴染の瀬野遥役の山崎紘菜ら、キラ星のごとき青春スターが大暴れ。
監督をした「踊る走査線」シリーズの本広克行が、先輩の演技を見て感じて、いろんなものを継承して欲しかったという狙い通り、信長役の松山ケンイチは撮影中もその後も、若手にとっては声もかけられないほど恐い存在だったようで、だからこそその存在から学ぶことも多かったようだし、一方、元康役の三浦春馬は新田真剣佑にとって、俳優を目指すきっかけになった憧れの存在で、撮影中も交流を通して、多くのことを学んだという。本当に早すぎる死が惜しい。
仲間は決して見捨てない!たとえ相手がどんなに強く、大軍であったとしても、仲間との絆と、日頃から努力を積んできた部活の頑張りとスキルを活かして立ち向かう。
え~、そこまで歴史を変えていいの?とちょっとビックリの展開も、ちょっと引いてしまうぐらいの残虐な殺戮のシーンもあるのだが、キラキラした若さが弾ける若手俳優の活躍ぶりが眩しい群像劇。
将来、この中からどんなスターが誕生してくるのかも楽しみで、一押しのお気に入りを探しながら観るのも一興かも??
★おたか★
The post 3月10日*おたかのシネマでトーク「ブレイブ 群青戦記」 first appeared on ラジオ関西 AM558 FM91.1.
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]]>毎週冒頭で出題される、兵庫県にまつわるオープニングクイズの答えを送ってくださった方の中から
お1人の方に神戸ハーバーランドから出航するクルーズ船「神戸船の旅 コンチェルト」の
ペアチケットをプレゼントします! (当選者の発表は来週です)⇒メールフォーム
*知性の玉手箱
ゲストは、
元ラジオ関西プロデューサーの今林清志さん
神戸ハーバーランドのスペースシアターで開催されている「エルヴィス・メモリーズ」についてなどお話を伺いました。
\エルヴィス・メモリーズ/
期間:3月14日(日)まで
時間:11時~18時 入場無料
場所:神戸ハーバーランド スペースシアター
レコードコンサートは土曜・日曜の13時~/15時~ 各1時間
イベントについて詳しくは⇒ホームページ
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コードレス掃除機は軽くて使いやすくて便利です。
軽い操作でゴミを吸い込む強力吸引で使用時間も長くなってきてます。
昔のコード付きの掃除機は出すのもめんどくさいし、重いし、コードも邪魔です。
しかし、我が家の6年前に高いのに買った某有名メーカーのコードレス掃除機が調子が悪い。
新しく買うのは軽量のコード付きが良いか、コードレスが良いか思案中の私、掃除機大臣です。
露の吉次
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