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三上公也の朝は恋人

  • 2018年6月8日(金) 12時42分

    新品種の酒米で造られたお酒が登場!

    兵庫県で10年ぶりに酒米の新しい品種が開発され、その酒米を使って仕込まれた純米酒がこのほど但馬と丹波の3つの蔵元から発売されました。
    酒米の名は「Hyogo Sake 85」。酒米品種としておなじみの「山田錦」を改良した品種で、海外での日本酒販売を視野に蔵元の協力を得て製品化を実現したものです。
    ひとつは朝来市山東町にある此の友酒造の「兵庫酒八十五」。上品な口あたりで軽く冷やして呑むのがおすすめ。

    こちらは丹波市市島町にある山名酒造の酒米の名前をそのまま使った「Hyogo Sake 85」。米の形をしたラベルで、のどごしの良いお酒です。こちらは冷で、ぬる燗で、常温でとお好みでどうぞ。
    もうひとつは香美町香住区にある香住鶴の「Hyogo Sake 85(兵庫酒85)」。のどごしが良くすっきりした味わいです。冷かロックでどうぞ。
    酒米の品種育成を担当されている兵庫県農林水産技術総合センター主任研究員の杉本琢真さんにお話を伺いました。新品種の名前にある「85」は系統番号といわれる数字で、兵庫県内で食用米、酒米、紫黒米あわせて85番目の品種のこと。兵庫の新酒米は2008年の「兵庫錦」以来21品目目だそう。「Hyogo Sake 85」は「山田錦」の花粉を、単位面積当たりの収穫量が多い韓国産の食用米「水原258号」に受粉し、32年かけて遺伝子を固定させて新品種にまでこぎつけたのだそう。1986年の交配から系統(品種)として安定するまでに18年かかり、その後品種特性の調査を行い、優良な種子生産を整えることで32年もかかっているのです。
    品種の特徴は、カビが寄生するいもち病に強く、稲の背が低いので強い風でも倒れにくく育てやすいこと、そして杜氏や製造業者からは「程よい香りがあってすっきりしてのどごしがいい」と評判なのだそうです。
    これらのお酒は今年の8月に香港で開かれる「Sake Central」に出品し兵庫の酒を世界に向けてPRしたいと意気込んでいらっしゃいました。
    そして杉本さんは黒大豆の品種育成にも関わっていらっしゃいます。写真は2年前に品種登録された「兵系黒4号」。兵庫県を代表する黒大豆「丹波黒」を改良したもので、ダイズモザイクウイルスに感染しにくい品種だそう。さやも青々としています。 また新たな「兵庫ブランド」が動き出しましたよ!