ピックアップパーソナリティー

動画メッセージ

第12回 林真一郎さん

― アナウンサーになりたいと思ったキッカケを教えてください。
アナウンサーになりたいと思ったのは、ラジオのおもしろさを知った時でした。中学に入学したてのある日、友人から「アニメの曲がかかる番組があるから聴いてみて!」と進められてラジオを聴き始めました。
当時はラジオ深夜放送の全盛期でもあり、学校では前日の番組の話題でもちきり。私も聴いているうちにラジオの魅力にはまりました。
将来の夢を電車の運転士と言っていた1年後にはアナウンサーになりたい!と言っていたほど当時のラジオ番組に影響を受けました。
あの時、友人がラジオ番組を教えてくれなかったら今ここにはいないと思います。今思えば、人生の分岐点の一つですね。
― 林さんにとってのラジオの魅力とは?
学生時代、深夜一人で勉強していると一息つきたくなるときもありますよね。そんな時、ラジオを聴いて息抜きをしたり、いろいろな人の話が聞けました。そして翌日は友人とその話題で盛り上る、それがとても楽しかったですね。

一方的に何かを伝えるわけではなく、考えてもらうきっかけを作って意見をきき、紹介する…それを番組の中では大切にしています。

― ラジオ関西へ入社後、
アナウンサーとしての仕事はいかがでしたか?
ニュース原稿を初めて読んだのは入社して2ヶ月後、1988年6月3日午前9時のニュースでした。あまり緊張はしませんでしたが、“とりあえず読んだ”という感じでした。原稿を間違わないように読むのが精一杯で、伝えるなんて考えられませんでした。
ニュースの下読みを放送前に行うのですが、原稿の順番がなぜか本番では逆になっていたこともありましたね。その時は頭の中はまっしろ。放送ではなんとかごまかしましたが、ドキドキの経験でした。
― パーソナリティを務められている「時間です!林編集長」では、
番組作りでのこだわりはありますか?
以前から報道番組は担当したいと思っていました。「時間です!林編集長」では出来ることが限られています。番組では皆さんに“このようなことがあった”という事実を知ってもらい、投げかけ、つまり問題提起することをこころがけています。
一方的に何かを伝えるわけではなく、考えてもらうきっかけを作って意見をきき、紹介する…それを番組の中では大切にしています。

ふと「野球の実況が楽しい!」と思ったのです。スポーツに関わる仕事の楽しさを初めて実感した時間でした。

― 林さんはスポーツの実況アナウンサーもされています。
いつからされているのですか?
入社後の研修の一環で、週に3日は野球場に行っていました。入社から2ヶ月後の5月頃、初めて「実況をしてみなさい。」と言われました。
初めは何をしゃべっていいのか分かりませんでした。「目の前に見えることを伝えればいい」と言われても、分からないことだらけで、戸惑うばかりでしたね。
少しずつ経験を積み重ね、入社してから3ヶ月後には高校野球準々決勝の実況を任され、なんとか無事に放送を終えることができました。
― スポーツ実況を楽しいと思った時はいつですか?
初めは本当に苦手で苦痛でしたが、高校野球を担当して3年目の実況中、「夏の青い空」、「スタンドの風景」や「試合に全力で挑む高校球児」を見て、ふと「野球の実況が楽しい!」と思ったのです。
あの瞬間の感覚は本当に不思議なのですが、スポーツに関わる仕事の楽しさを初めて実感した時間でした。自分はすごい仕事をさせてもらっていると思い、それ以降は中継も取材も楽しくてしょうがなかったですね。
― 気をつけていることはありますか?
スポーツの実況はテンポ、リズムが大切です。試合の始まりで上手く話し出せないと、リズムに乗れないまま試合が始まってしまい、その日の放送がメチャクチャになってしまうこともあります。
ですから、中継の冒頭をどう実況するのか?は大きなポイントです。また、試合中に何が起こるかも分からないので、事前の準備(取材の資料作り)を念入りに行いますね。

実況は本当に難しい。未だに完璧だと思えるものはこれまで一度もありません。

― 実況の裏側はどのような感じなのですか?
プロ野球の実況を何年も担当していると、選手がボールを打った瞬間、大体どこへ飛んでいくのか分かるようになります。打った瞬間、ボールの上がった角度、勢い、野手の動きなどでどこへ飛んでいくのかが分かるので、打球を追いかけるのと同時に、野手やランナーの動きなどを伝えます。
今起こった出来事を記憶を瞬間的に頭の中でまとめ、すぐさまリプレイとして言葉にする。そして解説者に話を伺いながら自分が事前に準備している資料の内容などもミックス。短時間でどれだけの情報を伝えられるか? これは何年やっても難しいですね。
― 実況アナウンサーとしての楽しさを教えてください。
その瞬間に目の前で起こった事に対応しながら分かりやすく伝えるのですが、それが本当におもしろい!
しかし、何度やっても100点満点だと思える実況はありません。聴いている人に聴きやすいと思ってもらえた放送でも、自分では反省点が多いことがあります。表現、リズム、テンポ、解説者やリポーターとのかけあいなど、実況は本当に難しい。未だに完璧だと思えるものはこれまで一度もありません。

もちろんアナウンサーとして、もっと“言葉”にこだわりたいです。日本語の奥深さ、おもしろさをもっと感じて、次の世代へも伝えていければと思っています。

― 2月22日に「世界遺産姫路城マラソン2015」が開催されます。
マラソン(駅伝)の実況を初めて担当された時はいかがでしたか?
駅伝やマラソンのメイン実況は入社して10年が経った頃に初めて担当しましたが、コースを下見した時、それまでの経験から何とかなるかなと思っていました。
ところが、当日ランナーの前を走る中継車からの光景は全くの別物。スタートと同時に走り始めたランナーに、追いかけられている気分になり、頭は真っ白! 夢中で喋ったのを覚えています。全く余裕がありませんでした。大勢の人が向かってくる脅迫感は本当に恐ろしい。今でも恐くなる事がありますね。こういう経験は他のスポーツにはありません。
「世界遺産姫路城マラソン2015」は初めての開催ですので、レースを中心に姫路の街の雰囲気を楽しんでもらえる中継にしたいですね。
― 最後に、今後取り組みたいことなどありますか?
ドキュメンタリー番組や、ラジオドラマ、クラシック、歌舞伎、時代劇などの番組を作りたいですね。
もちろんアナウンサーとして、もっと“言葉”にこだわりたいです。日本語の奥深さ、おもしろさをもっと感じて、次の世代へも伝えていければと思っています。今の子供たちに“言葉”のおもしろさ、アナウンサーという仕事のおもしろさを、伝える機会をどんどん作りたいですね。
プロフィール
林真一郎
林真一郎

奈良県奈良市出身。8月31日生まれのA型。
入社以来、スポーツ中継を中心にニュースからバラエティまで幅広く担当。
現在、ラジオ関西『時間です!林編集長』(月〜木16:30〜19:00)でパーソナリティを務める。