2016年からラジオ関西の金曜日朝を飾った『川浪ナミヲの情報アサイチ!』。3月29日の放送をもって最終回を迎えた。メインパーソナリティの川浪ナミヲさん(劇団赤鬼 演出家・脚本家・俳優)と、ラジオ関西では13年の間、朝の番組でアシスタントを務めてきた浅井ちかこさんに、番組終了後、番組やリスナーへの思いをつづったコメントを聞いた。
川浪ナミヲさん
「(番組では、ジャニーズのタレントさんたちの話とかもリスペクトされながらよく伝えられたり、様々な方々へのリスペクトを感じる放送でしたが?)舞台でも、これはジャニーズどうこうにかかわらず、一生懸命やっている人たちのことはもちろん、(自身が)目に触れていることで、皆さんが知らないことだったら、頑張っている人のことは伝えたいなと思って、やっていました。
(普段お芝居等の接点がない方も、この番組が交流の場になっていたのでは?)リスナーさんでお芝居を見に来てくれる人がすごい多くて、本当にありがたいお話です。演劇というのは、なかなか敷居が高かったりするところもあるものですが、しょうもない映画よりは面白いので(笑)。
(ラジオの魅力について)最初は、僕ら舞台でやっていると、目の前にお客さんがいるんですが、ラジオはどんな顔をして聞いてはるのか、まったくわからない。それが、段々と回数を重ねるうちに、メッセージをいただいたり、今ならSNSでコメントをいただいたりとか、なんとなくお客さんが聞いてくださっている姿を想像できるようになってきた。一方通行ではなく、ちゃんと向こう側(リスナー)とやりとりしているようにするのが、見えないですが、それが面白いと感じました。
(リスナーの方へメッセージ)つたないところもあり、申し訳ないところ、至らぬところも多かったと思いますが、とにかく我慢して聞いていただき、ありがとうございました! またどこかで、お芝居を見に来てくださったりとか、また何かでしゃべっていたらちょっと聞いてもうたりとか、またお会いできる日を、お耳にかかれる日を楽しみにしています!」
浅井ちかこさん
「私は(ラジオ関西が)ラジオでのお仕事は初めてでした。それまでは、ずっと映像やテレビ、外のリポートがすごく多くて、初めてマイクの前でしゃべったときのことを思い出すと、カフ(マイクのオン、オフを操作するもの)の使い方すらよくわからない状況でした。生放送も初めてだったので、リスナーさんから、”take it easy”(気楽に)ってメッセージがきていたのも記憶していますが、それくらい、当時はガチガチでした。緊張は人に伝わるし、ラジオは声だけなので、『こんなに伝わるんだ』と思ったものです。オーディションのときは、新しい世界に飛び込むからワクワクしていたんですが、その後、恐怖にちょっと変わって、最初はもう悩み続けましたね。いろんなことをいろんな方が言ってくださったのですが、何を聞いたらいいかわからないというのもあったりしました。でも、そのときに、当時の上の方が、『(担当する)生(ワイド番組)は朝が早いし、(スタジオに)来た時点で半分仕事ができているみたいなものだから、何も気にせずしゃべったらいい』と言ってくれたんです。『それがラジオのよさだから、素の私を出せるように』と。
また、リスナーの方については、(直接)見えないですが、すぐに反応が来るので、すごい距離が近いなと感じました。振り返って、いろいろありましたが(番組を担当して)最初に、大先輩でもある西條遊児さんと番組でご一緒させていただいたんです。そして、悲しい出来事でしたが、亡くなられたとき(2018年2月12日)、実は私が代打で(『三上公也の情報アサイチ!』に)入ったときだったので、そのときご一緒はできなかったんですが、最後に呼ばれたのかなと。遊児さんにはいつも、『マイクの向こうに、聞いているリスナーの方がいるから、言葉を大事にすること。放送というのは、送りっ放しと書くんだよ。そのことは忘れてはいけないよ。そして、言いたいことは、言わなくていいよ』と言われていて、それがすごくありがたかったんです。
あと、ラジオ関西では、三上(公也)さん、岩ちゃん(岩崎和夫)、(川浪)ナミヲさんと、3人のメインパーソナリティのアシスタントを担当させていただいたのですが、それは貴重な経験。三人三様でタイプが違うので、とまどいも少しはあったのですが、途中から自分を作るのをやめようと思ってやっていました。
ナミヲさんは、演出家というお仕事をされているので、裏方さんの気持ちがすごいよくわかるし、表に出ることもそうですが、周りを作っていくところは、お人柄もありますが、それも魅かれるところ。見習いたいなとすごく思いました。仕事柄、前に出ることをやっていかなきゃいけないというのも思いがちですが、こういう出方、こういう人との関わり方もあるんだなということを勉強させてもらいました。難しい話題も、ナミヲさんならではのお話で、柔らかくしたり、時に情が入って涙を流したりとか、すごい人柄が出ていて、役者さんと一緒に仕事をしているから、役者さんでもあるし、わりと役作りをされるところもあるが、ラジオでは本当の、人間・川浪ナミヲというところが出ていたんじゃないかなと思います。ラジオではご本人の新しい一面も出ていたかなと思いますし、だからこそ、もっと一緒にお仕事できたらなという思いもあります。
リスナーの方へ、最初はつたないアシスタントで出発したなか、思い返せば13年という長い間、ずっと聞いてくださった方もいらっしゃって、本当に感謝しています。皆さんの温かい心からのメッセージが、私たちの励みになりました。今後も変わらず、ラジオ関西のパーソナリティの方に、その思いを向けていただければと思います。ラジオ関西さんにもリスナーさんが喜ぶような番組を作っていただけたらなと思います」