「粘って食らいついていく」明石商の野球で3季連続となる甲子園に挑む(県大会決勝レポート) | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「粘って食らいついていく」明石商の野球で3季連続となる甲子園に挑む(県大会決勝レポート)

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 第101回全国高校野球選手権兵庫大会は29日、神戸市須磨区のほっともっとフィールド神戸で決勝戦を行い、明石商が4-1で神戸国際大附に勝利し、昨年の西兵庫大会に続き、2年連続2度目の優勝で、昨夏、今春に次ぐ3季連続となる甲子園への切符を勝ち取った。

平日ながら多くの観衆が集った兵庫大会決勝。スタンドからの応援も明石商業の9回表での逆転劇を呼び込んだといえよう(写真:ラジオ関西)
平日ながら多くの観衆が集った兵庫大会決勝。スタンドからの応援も明石商業の9回表での逆転劇を呼び込んだといえよう(写真:ラジオ関西)

 決勝戦実況中継後に放送された29日のラジオ関西『時間です!林編集長』、「わがまちひょうご」のコーナーでは、ほっともっとフィールド神戸から春名優輝アナウンサーが熱戦の模様をリポート。そのなかで、決勝そして閉会式を終えたばかりの明石商の狭間善徳監督と、9回1失点で完投したエースの中森俊介、そして、1点ビハインドの9回表に逆転の口火を切るタイムリーヒットを放った水上桂のインタビューを交えながら、試合を振り返った。

 13時5分から始まり、2時間を越える熱戦が繰り広げられた決勝戦。試合は1点を争う攻防が続いたなか、6回裏、神戸国際大附に均衡を破られた、明石商。0-1のまま9回表を迎えたが、ドラマはそこから始まった。「『これが最後やから、みんな最後まであきらめずに行くぞ』という雰囲気でいった」と狭間監督。死球から始まったチャンスで無死満塁を作り上げると、バッターボックスに立ったのは2番打者の水上。そこで一度はスクイズを外してしまうも、「監督さんのサインからも迷いがなかったので、切り替えることができた」という背番号2は、「人生で一番大きい応援」を力に、外のストレートをはじき返し、ライト前タイムリーヒット。1-1の同点に追いつく。

 これで完全に勢いづいた明石商は、すかさず3番打者のキャプテン・重宮涼のスクイズが成功させて逆転。そして、とどめは4番打者の安藤碧の2点タイムリーツーベースヒットで加点。4-1とリードを広げると、その後、9回裏、神戸国際大附の反撃を受けた中森が2死満塁のピンチを招いたが、最後のバッターをピッチャーフライに打ち取り、ゲームセット。苦しみながらも強打の神戸国際大附を抑えた明石商は、兵庫161校の頂点に立ち、2年連続で夏の甲子園に駒を進めた。

「うれしいの一言。本当に子どもたちの力というところで、毎日毎日を正しく積み重ねたら、奇跡が起こるということを、教えてもらった。『食らいついていけば、必ずチャンスはある』と言い続けてきたので、それが本当にそうなったように思います」と試合後に述べた、明石商の狭間監督。中森について、「初回はちょっと荒れていましたが、2回から5回までは完璧で、打たれる雰囲気はなかった。ただ、6回から、(今大会で)あまり投げていないので、ちょっと球が浮いてきたところをやられた。それでも1点で抑えたのは大きい」とエースを讃えた。

 その中森は、「試合前からも監督さんから『接戦になってもチャンスは絶対に来るから、粘って投げろ』と言われていた。結果的に最終回、先輩方も打ってくださって、逆転することができたので、とてもうれしい」と安堵の表情。「この決勝戦までに、杉戸(理斗)さんであったり、ほかのピッチャー陣の方々がずっと投げてくださっていたので、僕自身全然投げてこなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいだった」とエースとしての責任を背負いつつ、「スタンドで応援してくださる方々や地域の方々の気持ちに応えられるようにとずっと思って投げていました。最後まで投げ切れたのはよかったと思います。(春の)センバツのとき、連戦で、球威も全然ない状態で、コントロールも自分の思ったところに投げられない状態でしたが、それでも智辯和歌山戦では粘り強く最後まで投げられたので、その経験がこの試合にいきた」と、周囲のサポートへの感謝とこれまでの甲子園での実績が、この大事な場面につながったという。

「(甲子園に向けて)もう1回、ダメなところ(課題)を、技術的なものはなかなか無理ですが(修正できるところはしていき)、兵庫県代表として、明石の市立高校1校の代表として、恥ずかしくない展開の野球をしたいなと思います。(具体的な目標について)まずは1勝したい」と勝って兜の緒を締めたのは狭間監督。そのなかでも、「このチームが始まったときから日本一を目標に掲げてやってきているので。まずは目の前の1試合1試合を勝っていきたい」と中森がいえば、水上も「自分たちの野球というのは、点を取られても粘って食らいついていくという野球なので、そこをしっかり貫いて、どんな劣勢になってもあきらめずに、1点1点積み重ねていきたい。(具体的な目標は)日本一です!」とチームを代表して力強く述べ、甲子園での奮闘を誓っていた。今夏から新調された優勝旗を手にした、令和最初の兵庫県代表となる、明石商。夏の全国初勝利、そして、春のベスト4越えを目指すべく、8月6日から始まる全国大会に挑む。

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