ヴィッセル神戸は18日、第99回天皇杯全日本サッカー選手権大会ラウンド16(4回戦)で、川崎フロンターレと対戦し、山口蛍、古橋亨梧、小川慶治朗のゴールで3-2と勝利。第97回大会以来、2大会ぶりにベスト8へ駒を進めた。その一戦で先発フル出場し、強敵・川崎Fの攻撃陣を相手に奮闘したのが、DFジョアン・オマリだ。
ドイツでの実績も豊富なレバノン出身の背番号44は、今夏にクリムゾンレッドの一員になるも、外国籍選手枠の都合などもあり、なかなか出番に恵まれず。天皇杯3回戦の大宮アルディージャ戦以来、約1か月ぶりの公式戦になったが、トーマス・フェルマーレンや大﨑玲央、酒井高徳とともに冷静かつ泥臭いディフェンスを披露。特に前半途中、相手の攻勢の時間帯に、ハードディフェンスからボールを奪った際には、サポーターから大きな拍手を受けていた。2失点したものの、最後まで集中を切らすことなく、ドイツ語のわかる酒井らとしっかりコミュニケーションを取りながら、体を張った守備でチームの勝利に貢献したオマリ。試合後、取材対応の際には、同じくドイツ語を話すルーカス・ポドルスキに明るく突っ込まれながらも、しっかりとインタビューに応じ、最後に笑顔で「アリガトウ!」と日本語であいさつしていた。以下は試合後のオマリのコメント。
ジョアン・オマリ選手
「最初の15分というのは、結構難しい立ち上がりだったが、そのあと自分たちもリズムを取り戻して、前半の最後の20分は特に完璧な試合ができていた。3-0になるまでは、本当に自分たちのペースでできたが、そのあとにミスで失点してから、ちょっと苦しくなってしまった。それでも、次に進むことが一番大事になる試合だったので、すごくいい試合だったと思います」
――試合感覚が離れているなかで臨んだ天皇杯、難しいところもあったのでは?
「もちろん、どの選手にとっても長いことプレーしていなかったら、試合勘というのはなくなってしまうし、そういう意味で(個人的に)難しい試合になったと思いますが、相手も簡単なチームでなくリーグ上位で昨年の王者でもあるなか、そういう相手に対して、監督が自分のことを信頼して使ってくれて、その期待に応えたかった。こういう形で3-2で勝ったことについて、自分のパフォーマンスにもすごくフォーカスしなければいけないが、結果が何よりもすべてを物語っているのかなと思います。もちろん、練習のなかでどうプレーするか、どうしたいかはできるかもしれないが、試合でそれを表現することが一番難しいところ。そういう意味で、こういうふうにいい試合ができたのは、自分にとってすごく大きな一歩になったと思います」
――ポドルスキ選手と一緒に試合ができたことについて
「ポドルスキのような偉大なキャリアを積んでいる素晴らしい選手、偉大な選手と一緒にプレーできることは、本当に光栄なこと。彼がピッチのなかでももちろんそうだが、ピッチの外でも自分たちのことを助けてくれる。彼がいるということだけで、相手もすごく嫌な気持ちになると思うし、脅威に感じると思うので。そういった偉大な選手と一緒にプレーできるのは本当にうれしいこと。これからもピッチのなかでも外でも僕らを助けてくれると思っています」
守備で奮闘、天皇杯ベスト8入りに貢献した神戸DFジョアン・オマリ「自分にとってすごく大きな一歩になった」
2019/09/19