ラグビーワールドカップ日本大会2019の準々決勝、日本代表―南アフリカ代表の試合が東京スタジアムで行われた20日夜、神戸市内の映画館ではパブリックビューイングが開かれ、市民らが最後まで神戸から日本代表への声援を送った。試合は日本代表が3-26で敗れたが、長年のラグビーファンらは「ここまでこれたことが奇跡」、「ありがとう」と感謝の言葉を口にした。
パブリックビューイングが行われたのは、神戸市中央区のOSシネマズ神戸ハーバーランド。普段は映画を楽しむシートに、抽選をくぐりぬけたおよそ300人が座り、赤と白のスティックバルーンを打ち鳴らして、強豪に挑んだ日本代表に声援を送っていた。
長年のラグビーファンだという東大阪市の男性は、神戸市内の友人とともに神戸からフィフティーンの雄姿を見守った。実はこの男性、「今回の大会は一生に一度」と思って1年以上前から準備。日本代表のプール戦(1次リーグ)4試合のうち、ロシア戦以外の3試合をスタジアムで観戦したという。
しかし、筋金入りのファンであっても今回の日本代表の快進撃(プール戦の4戦全勝、初のベスト8進出)までは考えられなかったといい、「この試合(準々決勝第4試合)のチケットも取れていたけど、日本が1位突破すると思えず手放してしまった」と苦笑い。この日は残念ながら銀幕越しの観戦となったが、「期待以上の活躍。前評判を覆してくれた」と、感謝の言葉を述べていた。
またゲストとして登場した神戸製鋼コベルコスティーラーズの井関信介選手は、「ベスト4をかけた試合で(点差こそ開いたが)南アフリカと渡り合えた。これまでなら考えられない」とねぎらいの言葉をかけた。一方で、課題として「南アフリカのような(パワー型の強豪)チームに負けないようスクラムをさらに磨く必要がある」と指摘し、自らの代表入りも含め、4年後への飛躍を誓っていた。