酒をテーマに公開句会/夏井いつきさん、吉田類さん「ほろ酔い俳句トーク」

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 俳人でエッセイストの夏井いつきさんと、酒場詩人の吉田類さんによる「ほろ酔い俳句トーク」が、このほど兵庫県加東市の「山田錦乾杯まつり」で開かれ、地元の山田錦栽培農家や日本酒ファンでにぎわった。「酒」をお題に、会場からの投句を鑑賞するコーナーでは、酔った勢いで激評も飛び出し、会場の爆笑を誘った。

加東市産山田錦を醸した大吟醸を味わいながらのほろ酔いトーク。夏井いつきさん(右)と会場のかけ合いも盛り上がった=兵庫県加東市上三草、加東市やしろ国際学習塾L.O.C.ホール
加東市産山田錦を醸した大吟醸を味わいながらのほろ酔いトーク。夏井いつきさん(右)と会場のかけ合いも盛り上がった=兵庫県加東市上三草、加東市やしろ国際学習塾L.O.C.ホール

 酒が過ぎて声を枯らし、「お聞き苦しいところはお許しを」と登場した吉田さん。夏井さんも、司会者から「お酒の方は」と問われ、「好きですよ。好きじゃなきゃ来ませんよ。このイベントに」と会場を盛り上げた。

 夏井さんは「日本酒の句はいっぱいあって、それだけ酒飲みが多い証拠。季語もいっぱい。冷酒、熱燗、あらばしり……。新酒がでれば、前の年の酒は古酒になる。酒は歳時記の季語としてもとても大事な文化です」と解説した。

 大吟醸を味わいながらのトークに、夏井さんは「なんていい仕事なの」と上機嫌。加東市産山田錦PR大使の吉田さんに「毎年このイベントがあっていいわねぇ」と突っ込みをいれた。さらに「句会をしながら酒を飲むというか、酒を飲みながらの句会は結構ある。類さんは酒場でしかしないでしょうけど」と冷やかし、酔いが回ってきた夏井さん。「お酒を飲んだら、普段自分が思いもつかないような、おそろしい発想が湧き出ることがある。おのれの才能か、酒のおかげか、わからないこともある」と酒の効能を披露した。

 秀句鑑賞では、年配の男女から若い女性、子供まで、会場から寄せられた作品が紹介され、二人ともそのセンスに感心。“いつき節”もヒートアップし、「作者はてっきり酒飲みのおっちゃんだろうと思っていたのに、女性なの」と驚いて見せたり、作句の意図を聞いて「それは言わないほうがよかった」とダメ出し。自身の味わい方を披露し、「そう読むことで、あなたのこの句のグレードは一気にあがるんです」と持ち上げ、会場をうならせていた。

 吉田さんは、「俳句はいつでも始めることができるし、一生できる。楽しさを知ってほしい」と話し、夏井さんも「俳句はうっかり成功するということがある。それも俳句の神様のごほうび。一日一句、日記のつもりで書きとめてくれたら」と話していた。

「加東市山田錦乾杯まつり」(加東文化振興財団主催)は、日本を代表する酒米「山田錦」の産地である兵庫県加東市を広くアピールし、日本酒の消費拡大を図ろうと、加東市産の山田錦で醸している全国の蔵元が集まって毎年開かれている。「ほろ酔いトーク」は、ラジオ関西の公開収録番組も兼ねて9月22日に開かれた。

 加東市の安田正義市長は「毎年開かれている全国新酒鑑評会で金賞を受賞している日本酒には、加東市産の山田錦を使用しているものが多い。栽培は難しいが地元の農家が経験を蓄積し、子や孫に伝えてきた。山田錦が誕生して約80年。加東市が誇る宝を多くの人に知ってほしい」と話している。