女王・日テレに悔しい逆転負けのINAC神戸 悔やまれる土壇場の失点場面で対応できたこととは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

女王・日テレに悔しい逆転負けのINAC神戸 悔やまれる土壇場の失点場面で対応できたこととは

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 サッカー・なでしこリーグ1部のINAC神戸レオネッサは、10月20日に行われた2019プレナスなでしこリーグ1部の第16節で、日テレ・ベレーザに1-2と敗北。開始早々に先手を取りながら、後半途中に追い付かれると、試合終了間際に失点。これまでの要所での日テレ戦を見ているかのような結末で、またも悔し涙を流すことに。首位に立った日テレとは対照的に、この敗戦で、INAC神戸はリーグ優勝の可能性も完全に潰えた。

 ヴィッセル神戸や水戸ホーリーホックなどで活躍した元Jリーガーで、現在はラジオパーソナリティーなどマルチに活動する近藤岳登は、この一戦について、ラジオのINAC神戸応援番組のなかで、「(INAC神戸の)GK武仲麗依がファインセーブをしまくっていただけに、失点ゼロで勝たせたかった。ただ、首位の日テレの力は半端じゃなかった」と、リーグ戦4連覇中の女王の底力に脱帽していた。

INAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』パーソナリティーの近藤岳登と赤﨑夏実
INAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』パーソナリティーの近藤岳登(写真右)と赤﨑夏実(写真:ラジオ関西)
日テレ戦でファインセーブを連発し、チームの守備を支えたINAC神戸GK武仲麗依
日テレ戦でファインセーブを連発し、チームの守備を支えたINAC神戸GK武仲麗依(写真:井上智博)

 INAC神戸応援番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』21日の放送で展開されたサッカー解説コーナー「ガクト’s 愛(GAKUTO’s EYE)」。ここでは、INAC神戸の日テレ戦での得点、失点シーンを、元Jリーガーである近藤の視点で回顧した。

 まず、前半3分にやってきたINAC神戸のゴールシーンから。「まずはクイックスローがよかった」とリスタートで相手の意表を突いたところに着目。そのうえで、「岩渕(真奈)がドリブルから右アウトサイドでパスを送り、増矢(理花)がターンしようとしたところで相手をひきつけた。そこで外があいたとき、センス抜群の中島(依美)が走りこんだが、そこで中島が上げたクロスが完璧だった!」と述べ、中島の技術を絶賛。「最後は左サイドバックの(守屋)都弥が、よくあそこに飛び込んだ。相手の死角からスッと入って、お手本のような逆サイドに叩き込むヘディングシュート。一連の流れ、最高だった」と、連動性ある攻撃は、チームとしてのクオリティの高さも感じさせるものだった。

 ただ、そのいい流れは、後半にまでつなげられず。反撃を浴びたなかで、失点シーンでは、プレーが中途半端になったことが影響したと、近藤はいう。「失点前から、クリアか、つなぐか、中途半端な、ちょっとわからないパスが出てしまい、相手に前でカットされたところから失点してしまった」。DFとしてJリーグで戦っていた近藤としては、一度、相手の攻めの流れを切る必要性を説く。「サッカーは、簡単にいえば、陣取りゲーム。ときには、相手を後ろ向きにするシーンが大事。失点する前から押し込まれていたなか、そこはチームとしてボールをつなぐことを徹底するのも大事だけど、やばいとき、苦しい時間には相手の向き、陣地をひっくり返して、こちらが相手陣に入る、立て直すのも大事になる。(結果的には失点時)それができなかった」

 また、その同点になったとき、守屋の対応に、サイドバックとしての経験談から、難しさを感じたという。「(守屋)都弥がスルーパスに対してしっかり反応して、最後体を入れて(ボールを)出したかったと思うけど、あのライン際のシーンは難しい。相手も頭がいい選手なら、ガンガン(取りに)来ないで、ちょっと泳がせて、すっと(ボールを奪いに)入ってくるもの。だから、先にボールと相手の間に入るよりも、都弥としては、相手の体に当てにいく選択ができれば、うまく対応できていたのかもしれない。ただ、あのときは、ボールも相手も見なきゃいけないし、中途半端な判断になってしまった」。それでも、近藤はこの課題の克服はすぐにできることと、守屋を盛り立てていた。

ゴールをアシストしたクロスを近藤岳登に絶賛されたINAC神戸MF中島依美(写真提供:INAC神戸レオネッサ)
ゴールをアシストしたクロスを近藤岳登に絶賛されたINAC神戸MF中島依美(写真提供:INAC神戸レオネッサ)
得点でチームに貢献したが、失点にも絡んでしまったINAC神戸DF守屋都弥。ただ、近藤岳登から励まされていた(写真提供:INAC神戸レオネッサ)
得点でチームに貢献したが、失点にも絡んでしまったINAC神戸DF守屋都弥。ただ、近藤岳登から励まされていた(写真:井上智博)

 そして、悔やまれるといえば、最後の失点。「相手CKの最初の段階で、しっかり前に跳ね返せていたらよかったのだけど、クリアが浅くなり、逆サイドに流れた。あの(終盤の)時間帯は、仕方ないところもあるが、みんながボールウォッチャーになってしまった。そこで一声、誰かが、『逆を見て!』とか、『首ふって!』とか、1人でも2人でも、声を出せれば、簡単に失点しなかったのかなと。あそこは集中力の問題。ちょっとじゃない、だいぶ残念」と、チームとしてのコミュニケーションがとれていれば、あの失点は防げたのではないかという。

 この試合では、選手交代も、ポイントの1つになっていた。日テレが積極的に3選手を交代させたのに対して、INAC神戸は戦術として投入できたのは京川舞のみ。最後、三宅史織のアクシデントもあって、あわてて水野蕗奈を送り込んだが、その直後に失点したののも皮肉なものだったといえる。「選手交代のところは、試合をすごい左右するもの。選手にイメージを共有させる、その(交代)選手が入ることで『こういうサッカーに切り替える』とメッセージを送ることができるのが、選手交代。交代カードを監督が切って、選手に何を伝えるか明確にするのが大事。でも、本当に難しいもの」と、監督の仕事の大きさを認識している、近藤。それでも、「もちろん、交代で出る選手も、そこをしっかりイメージして、ウォーミングアップして、いつでも行けることをアピールしなければいけない。普段の練習からでも『私は交代で出ても仕事します!』というアピールが大事になる」と、選手たちにも、さらに高い意識を持つ必要があることを訴えていた。

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カンピオーネ!レオネッサ!! | ラジオ関西 | 2019/10/21/月 18:30-18:50

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