女子サッカーの2019プレナスなでしこリーグ1部のINAC神戸レオネッサは、2日の最終節をもって、今季のリーグ戦を終了。9勝4分け5敗、勝点31で3位という成績に終わり、またもタイトル奪還はならなかった。5年連続17回目のリーグ優勝を決めた日テレ・ベレーザ(勝点42)には、勝点11差と大きく水をあけられた。また、失点数こそ日テレとともに17という数字だったが、得点数では日テレの59に対して、INAC神戸は28と、決定力の差がそのまま順位に表れたことは、今後の皇后杯、ならびに、来季への課題となるだろう。
INAC神戸はリーグ戦最終節となった11月2日、アウェイで伊賀フットボールクラブくノ一と対戦し、3-3と引き分け。京川舞が前半39分までに3得点を記録し、ハットトリックを達成したが、最終戦を勝利で飾ることはできなかった。ヴィッセル神戸や水戸ホーリーホックなどで活躍した元Jリーガーで、現在はラジオパーソナリティーなど多方面で活動する近藤岳登は、この一戦について、INAC神戸応援ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ』(ラジオ関西)11月4日放送のサッカー解説コーナー「ガクト’s 愛(GAKUTO’s EYE)」で、「ハットトリックした試合は勝たなきゃ、おあとがよろしくない」と、チームに喝を入れていた。以下は、近藤の解説コメント。
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京川舞のハットトリックは素晴らしかったが、3失点したのはいただけない。ハットトリックした試合は勝たなきゃ、同点では、おあとがよろしくない。
失点シーンは、CKやゴールキック、相手の単純なセットプレーから決められている。ロングボールだったり、相手の前に速い攻撃や、大きな展開に、INAC神戸が弱いのではないかと思ってしまう。
1失点目のCKでも、2失点目の相手ゴールキックからのロングボールへの対応でも、3失点での両センターバックの連携でもそうだが、守備では特に『声掛け』が重要。CKのときなら、逆サイドにこぼれたら、「必ずボールウォッチャーになるな」と。「後ろ!」、「首振れ!」、こういう声掛けをして、コミュニケーションをとりながら対応しなければならない。
また、ゴールキックのときなら、競りに行く選手に対して、周りはいつでもこぼれ球を拾えるようにしたり、その選手がもしボールを拾えなかったりかぶったりしても「対応できますよ」というポジショニングをとりつつ、相手のポジショニングも見ておかなければいけない。なのに、INAC神戸の選手はポジション取りも甘く、相手を見ることもできず、こぼれ球への反応も悪かった。「あっ、クリアしてくれるだろう……」みたいなノリでやっていたところもあったように感じたし、コミュニケーションがとり切れず、後手、後手に回ってしまった。
そこは、しっかり、その周辺は「ふたを閉じ」ながら、相手より早くポジションをとって、相手より早く反応し、ディフェンスラインはボールウォッチャーにならずに自分の見るべきマークをしっかり見る。こういった(ベースの)ところ、声掛けとコミュニケーション面ができれば、課題が解消されるはず。サッカーはそういうスポーツだけど、練習中からコミュニケーションをとって、細かいところを追求すること。絶対に獲らなければいけない皇后杯のタイトルを取るためにも、そういったところをよりはっきり、クリアにしていかないといけないと思う。
京川のハットトリックは本当に素晴らしかったし、おめでとうと言いたい。ゴールについては、個人的には1点目が特に好きな形。(チームで)ゴールに向かうワンタッチプレーが3~4回続けば、相手はついていけないし、ゴールに直結する。
あのときは、増矢(理花)が1回、タメを作ったところもポイント。(守屋)都弥が左から上がってきたので、そのままパスを出してもよかったが、そこを使わず、中にパスを出した。ボールを受けた岩渕(真奈)は、ダイレクトで都弥をつかう。でも、相手は中に体を向いているので、だれも都弥にマークにつけない。都弥はダイレクトでなかにあげて、京川につなげる。相手はみんな対応が後手後手。INAC神戸が外から中、中から外、外からまた中と振り続けたら、相手DFはもう対応できない。これが意識的にできるようになれば、ずっとINAC神戸ボールで攻めることができるくらい。でも、このチームは、それくらいを目指さないといけない。(ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』11月4日放送回より)
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○INAC神戸レオネッサ 主なトピックス
・11月3日に『2019ファン感謝Day』運動会を開催! 多くのサポーターとINAC神戸の選手たちが体を動かしながら1日を楽しんだ。『カンピオーネ!レオネッサ!!』パーソナリティーの近藤岳登や、歴代パーソナリティーの磯佳奈江、藤村椿らも参加。
・11月4日の「プレナスなでしこリーグ・プレナスチャレンジリーグ 2019表彰式」で、プレナスなでしこリーグ1部ベストイレブンにMF中島依美、MF杉田妃和が選ばれた。また、DF三浦紗津紀がプレナスなでしこリーグ1部の新人賞を受賞。特別表彰で200試合出場達成をしたDF鮫島彩が表彰された。
・11月5日に鈴木俊監督の今季限りでの退任を発表。
・11月10日、なでしこジャパンvs南アフリカ女子代表戦で、中島依美と岩渕真奈が先発、杉田妃和と三宅史織が途中出場し、2-0の勝利に貢献(増矢理花はベンチ入りも出場ならず)。
・11月12日、なでしこチャレンジ(日本女子代表候補選手グループ)トレーニングキャンプ(11/17~20@J-GREEN堺/大阪府)メンバーが発表され、FW京川舞、MF伊藤美紀、DF守屋都弥が選ばれた。