リニューアル工事のため、1年9か月休館していた神戸市立博物館が、11月2日にリニューアルオープンした。
1982(昭和57)年に開館した博物館が、常設展示の刷新と所蔵品をより多く展示できるように改装するため、この度リニューアル。
まずリニューアル目玉の一つが、博物館1階に登場した「神戸の歴史展示室」という無料ゾーン。資料や模型・映像を使って、神戸の古代から近代までを辿れるようになっている。
特に注目なのが会場中央にある2つの大型都市模型。明治時代と昭和時代の神戸のまちが、大型の模型になっており、その前にはタブレット端末のようなパネルが設置されている。その画面をタッチで操作することで、まるで模型の中を歩いているような風景を、画面の中で楽しむことができるという、新しい仕掛けだ。
1階にはこのほかに、ミュージアムショップが併設されたカフェも登場。今回のリニューアルで、神戸を代表するカフェ・TOOTH TOOTHの店舗「TOOTH TOOTH凸凹茶房」として生まれ変わった。神戸のハイカラ文化を象徴するようなレトロモダンな空間で、新たな日本のティーサロンを提供する。
なお、店内はブックカフェスタイルで、神戸の歴史に触れられる本や博物館の展示に合わせた雑誌など、博物館がより楽しめるような書籍が閲覧自由となっている。
また、この「TOOTH TOOTH凸凹茶房」内には『特別室』があり、明治時代の異人館「トムセン邸」で使われていた家具や暖炉が復元されている。予約も可能だが、空いている場合は誰でも入室できる。
2階には、神戸市立博物館が所蔵する7万点の所蔵品が、順次展示替えをして登場する「コレクション展示室」というコーナーが誕生。所蔵品をできるだけ多く見せるために新設されたコーナーで、高級ホテルのようなクラシカルな廊下から、それぞれのカテゴリーに特化した展示室へとつながっている。
そのひとつに「聖フランシスコ・ザビエル像」の専用ルームがあり、今回のリニューアルでも大きな話題となった。
徳川幕府以来、公式に禁止されていたキリスト教信仰は、潜伏キリシタンによってひっそりと守られてきた。1600年代に描かれたとされるこの「ザビエル像」は、大正時代には摂津の千提寺地区で密かに伝来し、神戸にもたらされたという。
これまで、特別期間のみ展示されていたこの「ザビエル像」は見られない期間も多く、入館客からの問い合わせも多かったが、今回のリニューアルをもって常設展示となった。
作品保存の観点から、実物の展示期間以外はレプリカの展示となるが、その存在感は抜群といえる。
ザビエルに会える場所としても生まれ変わった、神戸市立博物館。この他にもまだまだ新しい仕掛けが発見できるかも? ぜひあなたにも、その変化を見つけて楽しんで欲しい。
神戸市立博物館
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30まで)※毎週土曜日は21時まで開館
休館日 月曜
料金 一般1,000円/大学生500円/高校生以下無料
★リニューアル記念特別展「神戸市立博物館・名品展―交わる文化、つなぐ歴史、むすぶ美―」は12月22日(日)までの開催
神戸市立博物館 ホームページ https://www.kobecitymuseum.jp/