スマスイの愛称で親しまれる神戸市立須磨海浜水族園を舞台にした本格的な映画「スマスイ」が、来年(2020年)1月15日(水)に神戸国際会館こくさいホールで無料上映される。今年の夏休み期間中に同園内の特設シアター(50席)で公開された同作品は約4000人を動員する大ヒットとなり、その後、劇場でも一般公開された。
1957年に神戸市立須磨水族館として開業したスマスイ。87年には特徴的な三角屋根の本館を中心とする姿に全面改装し、名称を現在の須磨海浜水族園として多くの市民に愛されてきた。しかし30年以上が経過し、老朽化のために2023年度中の建て替えが決定している。
そこで次の世代へ現行施設の記憶をつなぐための映像製作が企画されるなか、市民に楽しみながら観てもらう機会を作るため、映画化に踏み切った。
仕事を失い、妻に逃げられた主人公・田中一郎が、新しい職場に選んだスマスイで新米飼育員として奮闘するストーリー。就職活動と将来に悩む大学生カップルや、妻の仕事復帰を機に家族関係がぎくしゃくする夫婦、病を患い余命宣告を受けた医師とその妻。スマスイを訪れる3組がそれぞれのパートナーとの関係に向き合いながら未来への一歩を踏み出していく。そして一郎も人々の優しさにあふれたスマスイで成長を遂げていく……。
また、物語では阪神・淡路大震災直後のスマスイの様子も描かれ、当時の職員たちの熱意が胸を打つ。幸いにも建物本体と水槽ガラスに破損はなかったが、電気や水道が止まったことにより、多くの生きものの命が失われた。同園の歴史の中でも外すことのできない大きな出来事だが、最近では当時の写真を公開する機会も少なくなり、70人を超える現スタッフで、被災から復旧までを経験しているスタッフはたった3人しかいないという。
震災から25年、市民にも当時を知らない世代が多くなってきた今、「映画を通して当時の様子を知り、命の尊さを考えるきっかけにしてほしい」と、同ホールが全面協力を申し出て大規模な無料上映会が実現した。同園飼育部長の大鹿達弥さんは「こくさいホールで上映してもらえるとは光栄です。須磨海浜水族園は愛されているのだと、再確認しました。多くの市民の皆さんに素晴らしいホールで鑑賞してもらいたい」と、感慨を隠せない。
映画には神戸の劇団赤鬼のメンバーのほか、スマスイで働く多くのスタッフも自ら出演した。イルカやラッコ、ゴマフアザラシ、ペンギン、熱帯魚など人気の生き物たちも総出演だ。なかでも一郎を見守るスマスイの主として登場するケヅメリクガメの大ちゃんは、ラジオ関西(神戸市中央区)でパーソナリティーを務める谷五郎さんのアフレコとともに名演技を見せた。
【映画「スマスイ」震災25年特別上映会】
開催日時 2020年1月15日(水)開場18:00、開演19:00(公演時間は約2時間)
会場 神戸国際会館こくさいホール(神戸市中央区御幸通8丁目1-6)
鑑賞料金 無料(要事前申込)全席自由席
申し込み方法 インターネットまたは往復はがき
(1)インターネット=須磨海浜水族園ホームページ内の特設ページ(https://www.sumasui.jp/event/2019/11/post-226.html)から申し込み
(2)往復はがき=住所、氏名、年齢、参加人数、電話番号、返信面に返信先を明記し、下記まで郵送。2020年1月6日(月)必着
〒654-0049 神戸市須磨区若宮町1-3-5 神戸市立須磨海浜水族園「映画スマスイ」係
※先着順での受付。定員に達した場合、期日までに受付を終了する場合あり
※一度のお申込みで4名様まで応募可、中学生以下は要保護者同伴
出演 劇団赤鬼、にこいち、谷五郎、ケーちゃん、大鹿達弥(須磨海浜水族園飼育部長)他
※にこいちによる映画スマスイ主題歌ライブ、劇団赤鬼によるパフォーマンス
主催 「スマスイ」製作委員会
共催 神戸国際会館
協力 078FILM
後援 ラジオ関西
映画「スマスイ」公式ホームページ
https://www.sumasui.jp/movie/