人気声優の神谷明と古川登志夫が16日、ラジオ番組『青春ラジメニア』(ラジオ関西)にそろってゲスト出演した。同じ1946年生まれで、長年、“友”として“ライバル”として日本のアニメ界を引っ張ってきた二人。番組では、お互いを「戦友」と呼び、苦楽をともにしてきた長年の親交を振り返った。
神谷といえば、キン肉スグル(『キン肉マン』)、冴羽獠(『シティハンター』)などでお馴染み。一方、古川もピッコロ(『ドラゴンボール』)、カイ・シデン(『機動戦士ガンダム』)ポートガス・D・エース(『ワンピース』)、ねずみ男(『ゲゲゲの鬼太郎(第6作)』)など、数多くの人気キャラクターに命を吹き込んできた。
そして神谷と古川のキャリアを語るうえで外せないのが、ケンシロウとシン(「北斗の拳」)、諸星あたると面堂終太郎(『うる星やつら』)などライバルとしての共演。その声はアニメファンの心にいまもなお焼き付いている。
そんな二人が初めてライバル役は、1977年の『惑星ロボ ダンガードA』で、古川は「そこからずっと、(仕事の上では)ライバルですよ」と神谷との関係を振り返る。当時、配役のオーディションで神谷と古川が同じ役を競うことも少なくなく、古川は「神谷ちゃんにオーディションで会いたくないと思っていた。あえば負けるから」と笑った。
一方、神谷は、『北斗の拳』でのお互いの演技を振り返り、「(シン役を務めた古川の演技が)芝居としてではなく、本当の思いとして僕に伝わってきていた。本当に(シンのことを)憎らしいと思ったほど、本当にうまかった」と“戦友”の名演を称えた。
番組ではこのほか、『うる星やつら』の収録現場の思い出、ケンシロウ役を争った『北斗の拳』のオーディション、最近共演し話題となった「シーチキンチキン」のCM動画の裏話、声優としての演技論にまで話が及び、アニメファンにはたまらない90分間となった。