兵庫県西宮市出身のロックンロールバンド「Slimcat」のメンバー4人が、ラジオ関西の番組に出演し、ライブツアーなどでのエピソードを語った。
結成のきっかけは、関西学院大学軽音部の歓迎会で、たまたま4人の席が近かったことだという。近かったので、とりあえず話をしたら音楽の趣味も近く意気投合したとか。
アメリカからの帰国子女だった小川悟(Vo. / Gt.)は、「メンバーみんな洋楽が好きでビートルズとかオアシスが好きだったんです。その辺の世代ではないんですが、アメリカにいたときに、オアシスの生ライブを見て感動したことがきっかけで好きになりました」
そんな、小川を中心に結成されたSlimcatだが、5年目の昨年、修行のため、全国で121本のライブをこなした。「機材車買って、自分たちで運転して、もう機材車がボロボロになりました」と彼らはいう。
お金がないため機材車に炊飯器を積んで、ライブハウスの楽屋で、ご飯を炊いてお腹を満たしたりもした。
「そうすると、ライブハウスの人が『君たちかわいそうに……』ってなって、お米とか差し入れをめっちゃもらえたりするんです(笑)」(小川)
青森ではトラブルに見舞われたと上羽一志(Dr.)はいう。
「車が雪に突っ込んで抜け出せなくなって、クレーンを呼んだとき、電話したら青森弁のクセの強すぎるおじちゃんが出て。全然、言葉がわからなかったんですが、とりあえず来てくれるらしいということはわかりました(笑)」
そんな修行をして、作り上げた初のフルアルバム「Bleachers」を、11月20日にリリースした、Slimcat。「Bleachers」の意味について小川が語った。
「アメリカでは各高校にアメフトのスタジアムがあるんですよ。その観客席のことを、”Bleachers”っていうんです。いろんな集会でも使われるし、サッカー部などの上下運動の練習道具としてもつかわれるので、いろんな人にとっていろんな意味があって欲しいということから、アルバム名にしました」
2020年1月11日(土)、東京・下北沢のSHELTERで行われるファイナル(東京初ワンマン)に向けて、全国をツアー中(「Bleachers Tour 2019-2020」)の彼らだが、夢は大きい。
「最終的には海外で『日本のバンドと言えばSlimcat』っていわれるようになりたい。日本で売れたら、またイチからやり直しということで、機材車で今度は海外を周りたいです。炊飯器を積んで(笑)」