女子サッカーのINAC神戸レオネッサは、11月30日、皇后杯JFA第41回全日本女子サッカー選手権大会の3回戦で、セレッソ大阪堺レディースに4-0と勝利した。
12月2日に放送されたINAC神戸応援ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)で番組パーソナリティーを務める元Jリーガーの近藤岳登は、試合解説コーナー「ガクト’s 愛(GAKUTO’s EYE)」のなかで、「髙瀬愛実が試合後に『(CKの際)GKの裏がウイークポイントという分析があった』と言っていたそうだが、相手を分析して、選手たちがそれを実行して、得点を決めたことが素晴らしい」と、選手やスタッフを称えていた。
また、近藤は、43分の八坂芽依のゴールにつながった一連の流れのなかで、FW増矢理花の動き出しに、ストライカーとしての能力の高さを感じたという。
「中島依美の右クロスがそのまま流れた形になったが、右から左へ相手を思い切り振って、相手の体の向きを変えさせたところで、守屋都弥がピンポイントクロスを入れた。そのクロスも素晴らしかったが、相手がボールウォッチャーになったところで、クロスが入るときの増矢理花の飛び出しが最高によかった。誰も増矢を見ていないところで、空いたスペースにいいタイミングで増矢が入ったのだが、あの(得点機に顔を出せる)嗅覚が素晴らしい。だからこそ、あそこは増矢が一発で仕留めることができれば、パーフェクトだったと思うが……、それでも、最終的に(チームとして)ゴールが決まったからよかったと思う」(近藤)
また、チームの4点目、河野朱里と杉田妃和の藤枝順心高校出身・同級生コンビで決めたゴールについても賛辞を惜しまない。
「河野のオフサイドギリギリの動き出しに対して、それを見ながらしっかりあわせた杉田のスルーパスは素晴らしかった。また、河野のターンとシュートも、自分の得意な形に持って行ったいいプレー。高校から一緒にやっている2人だからというのもあるけど、分かり切っていたとはいえ、すごかった。そして、この4点目は前からのプレスをチームでハメにいって、取ったボールから、杉田のスルーパスにつながった」(近藤)
ただし、準々決勝ではリーグ戦で2連敗しているノジマステラ神奈川相模原が待ち構えていることや、2季連続の国内タイトル3冠を目指す日テレ・ベレーザなど、勝ち上がれば必然的に強敵が待ち構えている。INAC神戸のカップウイナー獲得のため、今回の試合の教訓から、近藤は提言も述べていた。
「これからの戦いでは(今回と同じく)相手のウイークポイントをしっかり分析し、そこを徹底的についていくのがひとつ(大事なこと)。また、プレスにいったところの球際をもっと体ごとつぶしに行くようにしないと、日テレとか浦和(レッズレディース)だと、そこはかいくぐられてしまう。かいくぐられたとき、前からプレスに行っていると、後ろはがら空きになるので、(奪いに行くなら)そこは仕留めないといけない。今回の4点目はよかったが、あのプレーも、杉田に入る前の段階で全員がパッと寄せて(敵陣深くの)ライン際でボールを奪えていればというのもある。そこのスピード感は今後さらに大切になる。
そして、INAC神戸は左の守屋都弥、右の髙瀬と、サイドバックが一斉に上がって攻めることが多いチームだが、チャンスもできる反面、ピンチも生まれやすい。そこは、どの相手だろうが、ケアする意識は絶対に持たなければいけない。(チームの対応は)よくはなっているけど、あえての厳しい意見として述べておきたい。
今後、絶対にどこかでうまくいかないときが出てくると思う。そこでどう修正するか(が勝ち上がるためのポイント)。準々決勝でも、ノジマには苦手意識もあるかもしれないが、相手をしっかり分析したうえで、立ち上がりからガンガン攻めていきたいところ。2回戦や3回戦のように、早い時間で1点を取ることができれば、勢いづくと思う。INAC神戸らしいサッカーで、勝利をもぎ取ってほしい」(近藤)