2019年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に選ばれて話題のスウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥンベリさんについて、落語家の桂春蝶は、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で、彼女の行動を尊重しながらも、その裏にある矛盾点を追求。そのうえで、「何かのために働き掛けをするときに、やっぱり現代の文明というものを使っちゃっているということは、避けて通れない」と、現実を直視していた。
桂春蝶
「僕ね、グレタ・トゥンベリさんという人を見てて、一つだけ僕は思うことあんねん。グレタさんね、温室効果ガスの排出をさけるために、2015年から飛行機に乗ることを拒否している、と。今回も、イギリスからアメリカへヨットで移動したそうですが、実は、この船で渡米するために、その準備で、何人もの大人が飛行機で移動してんねん。グレタさんのために。そういうことは、グレタさんが一人で飛行機に乗っていけば、それだけで済むわけですよ。この事実を、グレタさんがどう考えるかという事なんや……。
これな、人間が何かの主張をするとか、何か仕事をするとか、何かのために働き掛けをするときに、やっぱり現代の文明というものを使っちゃっているということは、避けて通れない。グレタさんは、自分の活動のためにみんなを動かしているってことやねん。それが大人の世界っていうやつなんやなあっていうことを、ちゃんとわかってほしいと思う。これ僕、彼女のことを否定してんちゃうで。
昔、親にいつも『人の迷惑になるようなことはやめときや』って言われたんやけど、せやけど「生きてること自体、良い影響も悪い影響も、誰かに何かの影響を与えてしまうというのはあるし、人間というのは業を背負っている以上、それは仕方ない。どっかで迷惑かけながら、生かしてもらってるんやなってことを、わからなアカンのかなって」