サッカー・Jリーグのヴィッセル神戸に所属するDF那須大亮が、16日、今季限りで現役を引退すると発表した。
那須は鹿児島県南さつま市出身の38歳。鹿児島実業高校、駒澤大学を経て、2002年に横浜・FマリノスでJリーグ入りすると、そこから東京ヴェルディ、ジュビロ磐田、柏レイソル、浦和レッズ、ヴィッセル神戸と、計6クラブで活躍。巧みなディフェンスとガッツあふれるプレーで、プロ生活18シーズンの間に、J1で400試合出場29得点、Jリーグカップで82試合出場4得点、天皇杯で31試合出場1得点、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)で27試合出場4得点という、豊富な実績を記録。横浜FM時代にJ1を制覇したのを皮切りに、Jリーグカップ(磐田、浦和)、天皇杯(柏)、ACL(浦和)の優勝も各チームで経験した。また、日本代表歴こそなかったが、2004年のアテネ五輪日本代表メンバーの一員でもあった。神戸には昨シーズンから加入していたが、今季のJ1出場はなかった。
那須は自身のYouTubeチャンネルのなかで、コメントを発表。これまで在籍していたチーム、サポーターへの敬意を述べたうえで、「18年思い返せば、長いようで短かった現役生活だったと思う。18年間、100パーセントで走り続けてこられたのも、本当に数えきれないほどのたくさんの方々に支えられ、たくさんの方々の思いが自分を支え続けてくれたから。18年間応援し続けてくれた皆さま、支え続けてくれたみなさまに心から感謝しています」と謝意を表明した。
現役引退を決めたきっかけについては、「数年前にヘディングをしたとき、脳が揺れる現象が起きたことから(引退への思いが)始まった。今年になり、練習中でもヘディングのたびに脳が揺れることが増え、練習でもヘディングを嫌がる自分がいた」と述べた那須。さらに、「(ダビド)ビジャの引退セレモニーがあったとき、今まで100パーセントで走り続けたサッカー人生だったので、100パーセントでやれていない自分に気づかされた。それでも、18年間走り続けてきた選手としての熱い情熱があったので、なかなかあきらめきれなかったが、僕が引退を決めたのも、そのこと(100パーセントでプレーできないこと)が大きな要因のひとつだったかもしれない」と語っていた。
動画のなかでは最後に、「あと2試合、試合が残っている。僕の最後の使命は、ヴィッセル神戸で天皇杯を優勝し、最後にみんなで喜びを分かち合うこと。みんなの力で優勝しましょう!」と力強くタイトル獲得を誓っていた。