サッカー皇后杯 3大会ぶりの頂点を目指すINAC神戸、22日の準決勝で浦和Lと対戦へ | ラジトピ ラジオ関西トピックス

サッカー皇后杯 3大会ぶりの頂点を目指すINAC神戸、22日の準決勝で浦和Lと対戦へ

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 女子サッカー日本一を決める皇后杯JFA第41回全日本女子サッカー選手権大会は22日に準決勝、29日に決勝が行われる。ベスト4に勝ち残ったのは、なでしこリーグ1部を5連覇した日テレ・ベレーザをはじめ、浦和レッズレディース、INAC神戸レオネッサの上位3強と、なでしこリーグ2部で3位のちふれASエルフェン埼玉。これからは舞台を埼玉のNACK5スタジアム大宮に移したなか、いよいよカップ戦は佳境に入る。2016年度の第38回大会以来、3大会ぶりのカップウイナーを目指すINAC神戸は、準決勝で浦和Lと対戦する。

(写真:井上智博/INAC神戸レオネッサ)
得点を決めた三宅史織を称えるINAC神戸の選手たち(写真:井上智博/INAC神戸レオネッサ)

 8日に行われた準々決勝では、リーグ戦で今季2敗と苦手にしていたノジマステラ神奈川相模原を1-0と下した、INAC神戸。試合では攻守に安定感が光った。開始15分こそノジマの攻勢を許したが、そこをしのぐと、カウンターから岩渕真奈が決定機を作った21分あたりからは主導権が完全にINAC神戸へ。前半だけでボランチの伊藤美紀が4本のシュートを放つなど、チームで13本のシュートを繰り出し、ノジマゴールを攻め立てると、後半に入って、59分に先制。右CKから、中島依美のライナー性のボールに、ニアサイドに走りこんで相手DFの前に入った三宅史織が左足であわせて技ありゴールを決めた。その後も押し気味に試合を進めたINAC神戸は、相手のキーマンで元INAC神戸のFW大野忍を封じ込めるなど、ノジマに得点を許さず。計23本のシュートで1得点に終わったとはいえ、最後まで集中したチームディフェンスを披露し、勝ち切ることができた。

 INAC神戸応援ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西、月曜午後6時30分~)で、赤﨑夏実とともにパーソナリティーを務める、元Jリーガーの近藤岳登は、「ノジマにしっかりリーグ戦の借りを返せたことで、調子のよさがうかがえる」と、INAC神戸イレブンの状態を高評価。そのうえで、「チームのサッカー自体も楽しくなってきた感じだし、このままいってほしい」と期待を込めていた。

 次の準決勝の相手、浦和Lにはリーグ戦、リーグカップ戦をあわせて、今季4戦全勝と、相性のよさが際立つINAC神戸。だが、カップ戦は一発勝負であり、かつ、リーグ戦の順位は浦和Lのほうが上であり、厳しい試合になることが想定される。浦和Lには今季リーグ戦15得点で得点ランキング2位の絶対的エース、FW菅澤優衣香を筆頭に、「EAFF E-1 サッカー選手権 2019 決勝大会」なでしこジャパンのメンバーにも入っているGK池田咲紀子、DF南萌華、清家貴子、MF栗島朱里や、なでしこジャパン通算129試合出場19得点という豊富な実績を持つFW安藤梢など、タレントも豊富。こちらもINAC神戸と同じく、タイトルに『飢えている』チームであり、加えて、埼玉での試合ということで、熱狂的なレッズサポーターの後押しを受ける浦和Lに対して、INAC神戸にとっては完全アウェイのなかでの試合となるだろう。それでも、「今季、リーグ戦で順位では浦和が上ですので、私たちはチャレンジャー。強いところを全部倒して優勝したい」というのは、ノジマ戦のヒロイン、三宅。タイトル奪取が至上命題である以上、レオネッサはこのまま勇猛果敢に突き進む。

杉田
伊藤美紀とともに攻守の軸として活躍するINAC神戸MF杉田妃和(写真:井上智博/INAC神戸レオネッサ)



以下は、試合解説コーナー「ガクト’s 愛(GAKUTO’s EYE)」での近藤のコメント。

近藤岳登(元Jリーガー、ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』パーソナリティー)
「(ノジマ戦で)得点したCKについて、相手はゾーンディフェンスで対応していた。そのとき、ストーンといわれる、ニアサイドのボールをクリアする選手がいたのだが、その前に三宅が入って左足でゴールを決めることができた。あのとき、中島(依美)が蹴ったCKのボールは、低いライナー性のもの。普通ならストーン役の相手DFにそのままクリアされるところだが、その前で八坂(芽依)が相手DFをブロックしていたのは見逃せないシーン。そして、そのブロック前に三宅が入りこむことができた。もし、自分たちのアイデアでやったとすれば、試合中に機転を利かせたということで、大したものだなと思うし、分析したプレーなら、まさにチームの勝利だと思う。

この試合では、相手が前からプレスをかけてきたが、いつものようにINAC神戸がボールを回していたら、そのプレスにひっかかってショートカウンターを食らっていただろう。でも、今回のINAC神戸は、シンプルに相手の両サイド裏に蹴りこむプレーも行いながら、チャンスを作っていた。相手の狙いどおりにさせず、前がかりでくるノジマの選手たちを外しながら攻めに出たことで、リスクを背負わず点を取りに行くプレーがハマっていたと思う。セットプレーから仕留めて、1-0で勝利したことは、試合の醍醐味の1つであり、理想的な形と言えよう。

次への課題を挙げるとすれば、浦和戦では、シンプルに裏を狙うだけでなく、ボールを回す時間を作り、相手が(プレスで)食いつくときに裏をつくといった、攻めにバリエーションをつけたい。ノジマ戦と同じような戦術ではダメ。これまでの皇后杯の道のりと同じく、次の浦和Lをしっかり分析して戦う必要がある。あと、八坂も言っていたが、岩渕(真奈)がボールを持ったときや、ボールが入る前でも岩渕が前を向けるシーンがあるなら、岩渕を信じてガンガン前に行けばいいと思う。岩渕はパスを出せるし、自分でも打開できる選手。(キープ力もあるので)心配せずにガンガン(岩渕を)追い越してゴール前へ出ていけば、さらに攻撃に厚みは増すはず。それも、ひとつの戦術として組み込むのもいいかもれない。

ノジマにしっかりリーグ戦の借りを返せたことで、調子のよさがうかがえる。今は男子の天皇杯でもヴィッセル神戸が準決勝に残っているが、カップ戦を神戸が男女アベック優勝できれば、フィーバーになることは間違いない。神戸が今、“来ている”のは、神戸でいろんなことをやらせてもらってる俺がパワースポットだと思うけど……(笑)。まあ、それはともかく、INAC神戸のサッカー自体も(カップ戦を重ねて)楽しくなってきたし、このまま(優勝まで)いってほしいよね!」

岩渕
ずば抜けた能力を持つ岩渕真奈をチームとしてうまく使えるかも、タイトル獲得への鍵になるだろう(写真:井上智博/INAC神戸レオネッサ)
岳登
「皇后杯制覇まであと2勝!」と気合いをこめる、『カンピオーネ!レオネッサ!!』パーソナリティーの近藤岳登と赤﨑夏実(写真:ラジオ関西)
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