上方落語界で「華の平成六年組」と呼ばれる(自称かもしれないが)桂吉弥(48)、桂春蝶(44)、桂かい枝(50)が、令和2年1月23日(金)から3日間、神戸新開地喜楽館で特選三人会を開く。3人はこれまでにも天満天神繁昌亭やABCホール(いずれも大阪市)で同期会を開催しているが、初めてとなる喜楽館での公演に向けて意気込みを語った。
同館は、かつて「東の浅草、西の新開地」とうたわれ神戸随一の歓楽街であった新開地に、上方落語協会と地域のNPO法人や行政がタッグを組んで、神戸松竹座の閉館以来約40年ぶりに誕生した常設の演芸場だ。昨年7月のオープン以来、昼席の寄席は連日開催されているが、夜席は貸館スタイルをとっており、稼働率は半分程度と伸び悩んでいる。そこで立ち上がったのが「華の平成六年組」だ。
3DAYSとなると繁昌亭のスケジュールが取れないという事情もあるが、それだけではないとかい枝は言う。「すでに繁昌亭では、小屋にお客さんが付いている。しかし客が入ることに甘えず、特に若い人たちには次の小屋を育てるチャレンジをして欲しい」。一方、春蝶は自身が幹事を務めるもとまち寄席・恋雅亭(元町・風月堂ホール)を引き合いに「昭和53年からおよそ500回にわたって続く恋雅亭をみると、神戸は落語を愛する人が多い」と分析する。
今回の三人会では「足を運んで楽しい体験をしてもらう」という基本を大切に、比較的わかりやすいネタを揃えた。
また、同じく平成六年組の桂三金さん(享年48歳)が先月亡くなった。それを受けて吉弥は「やりたいことを日々やらなければ。26年目に入り、年齢的にも全員アラフィフ。今後が見えるような会になるのではないか。」と語った。春蝶は「櫛の歯が欠けたことで同期の結束が固まった。仲良しでありながら『こけてくれ!』とも思ったり、常に動向をチェックしている」とか。個性的な人材がそろう上方落語平成六年入門組から目が離せない。
3人は初の喜楽館での会の成功に向け、「(同期の)桜を見る会にお客さんを協会費で呼びます。顧客名簿はすぐにシュレッターします!」と落語家らしく締めくくった。
華の平成六年組 吉弥・春蝶・かい枝 特選三人会 3DAYS IN 喜楽館
(1日目)1月24日 (金) 開演:19時〜
「ホース演芸場(桂吉弥作)」桂 吉弥
「たちぎれ」桂 春蝶
「寝床」桂 かい枝
(2日目)1月25日 (土) 開演:18時〜
「茶の湯」桂 吉弥
「中村仲蔵」桂 春蝶
「子は鎹」桂 かい枝
(3日目)1月26日 (日) 開演:18時〜
「くしゃみ講釈」桂 吉弥
「妾馬」桂 春蝶
「どうらんの幸助」桂 かい枝
(3日間とも)
料金:前売 3,500円 / 当日 4,000円 全席指定
※3日間通し券 9,000円(3日間同じ席になります。)
お問い合わせ:神戸新開地・喜楽館(078-335-7088)
※未就学児童の入場はご遠慮ください。
※出演順は当日にくじ引きで決めます。