サッカー・J1のヴィッセル神戸が、悲願の初優勝をかけて、2020年1月1日、天皇杯JFA第99回全日本サッカー選手権大会の決勝戦に挑む。その大一番を前に、クラブの歴史を築いてきたOB選手、朴康造氏(現、ヴィッセル神戸U-15UMDS監督 兼 スクールコーチ)と近藤岳登氏(現、ラジオパーソナリティー・タレント)が、28日放送の特別番組『GOGO!ヴィッセル神戸 天皇杯 ザ・ファイナル』(ラジオ関西)で、クリムゾンレッドのイレブンにエールを送った。
2003年から10シーズンにわたって神戸でJ1・J2通算251試合に出場するなど、チームの主軸の1人として活躍してきた朴康造氏。「神戸自体も調子がよく、連勝で来ているので、(決勝が)楽しみ」と、現在のチーム状態のよさもあって、決勝の戦いに期待を寄せる。そのうえで、「神戸としては、相手がどうであれ、自分たちのサッカーをやりきることが大事。ポゼッションしながら相手を自分たちのサッカーで飲み込んでやるというくらいの勢いでやったほうがいいと思う」と、これまで積み重ねてきたサッカーを継続することの重要性を語った。
「イニエスタはとんでもない、本当に尋常ではない選手。(ボールの)持ち手と受け手の関係性もあるとはいえ、スペースが(ほとんど)ないなかでも、あれだけスルーパスが出せるのは、本当にすごい」、「コンディションがいいときのポルディは化け物。シュートのクオリティも高く、馬力もあり、コンディションがバチーンとはまったとき、ポルディは止められない」と、アンドレス・イニエスタやルーカス・ポドルスキといったワールドクラスのタレントを大絶賛していた、朴康造氏。結果については、「鹿島(アントラーズ)という(常勝チームとしての)ネームバリューの面で恐さは絶対的にあると思うが、今の流れでいけば、神戸が勝ちますよ」とコメント。そして、「本当に、神戸の歴史的な日になるように願っているし、天皇杯(のタイトル)を取って、神戸に天皇杯を持ってきてほしい。本当に期待するばかり」と、神戸の初タイトル獲得を切望していた。
2007年から2012年まで神戸に在籍し、超攻撃的右サイドバックとして活躍しつつ、ムードメーカーとしても大いにサポーターを沸かせた近藤氏は、「今年の前半のヴィッセルは、ポゼッションできるけど、ゴールに向かうプレーができないというところもあったが、今は仕掛けや崩しもめちゃくちゃできているし、みんなの意識が変わってきた」とチームの成長を実感。「(攻撃では、アンドレス)イニエスタがボールを持ったら、相手にとって恐いと思えるゾーン、ゴールに近い、シュートが打てるところにどんどん侵入していけている。あとは、(トーマス)フェルマーレンと酒井高徳が来て、(攻守に)安定感が増した」と、後半戦や天皇杯での躍進の要因を話していた。
「決勝など(大舞台の)本番にも強く、勝ち方を知っているチーム」という鹿島のなかでは、「レオ・シルバをどう封じるか」をポイントに挙げた、近藤氏。「彼は下がったところからボールを受けて、パスもできるし、ドリブルでも侵入できる選手。運動量の多いイニエスタ的な感じの選手と受け止めたほうがいい」と警戒。神戸のイニエスタとの中盤対決が試合の行方を左右する可能性は、十二分にありそうだ。
「早い段階で神戸が1点取れれば、3-0、4-0くらいになるのかなと思うが、鹿島相手の試合では先制点を取られてしまうと、とんでもなくやばい状態になると思う。そこは浮足立たずに、リスクマネジメントしたうえでポゼッションしたほうがいい」という近藤氏。「今シーズン、ヴィッセルが戦える試合はこれが本当にラスト。テンションは勝手に上がる思うので、あとはコンディション、体調、モチベーションを整えるだけ」と心身の準備の重要性を強調したうえで、「決勝の前に小川慶治朗とご飯に行くが、僕と食事をすると、得点を取れるというジンクスがあり、『歩くパワースポット』と言われているので(笑)、慶治朗に決めてもらって、僕にも勝利給を分けてほしい(笑)」と親交の深い後輩の活躍を願いつつ、「ぜひ優勝してほしいし、僕はしゃべる仕事もしているので、ヴィッセル神戸から来年はたくさん仕事がもらえるように、そのためにもぜひ皆さんには頑張ってもらいたい!」とユーモアを大いに交えながら熱くチームを応援していた。