姫路市の清元秀泰市長と女子バレーボール・Vリーグ1部所属のヴィクトリーナ姫路で球団オーナーを務める眞鍋政義氏が、ラジオ関西(=兵庫県神戸市)の新春特別番組で対談し、2020年の姫路市について語った。(聞き手:ラジオ関西・津田明日香アナウンサー)
清元市長、眞鍋オーナーに「ボールを顔面にぶつけられた……」!?
――清元市長は、昨年4月に姫路市長へ就任されました。当選されたときのお気持ちは?
清元秀泰市長(以下、清元) 姫路のために「人を大切にする市政にしたい」そんな想いで出馬しました。最初は皆さんに顔も名前も知られていないような状況から始まって、最終的にはたくさんの方に応援をいただいて、当選させていただきました。以前は医者として働いており、さまざまな現場で人命を助けてきたので、市民の方たちにとっては医療や教育など、人を生かし・育てる「ソフト面」を強化することへの期待だったように感じています。
――実は市長、学生時代はバレーボールをされていたと伺いました。実際に眞鍋さんとも対戦したことがあるんですよね?
清元 そうです! 公式戦でも戦ってボールを顔面にぶつけられたこともありましたよ!
眞鍋政義オーナー(以下、眞鍋) 僕は覚えてないですけどね(笑)。
清元 眞鍋くんは中学校時代から頭ひとつ突き抜ける素晴らしいプレーをされていた。私も頑張りましたが、プロへのスカウトもなかったのでとにかく勉強を頑張りました。
――そんな眞鍋さんがオーナーを務める「ヴィクトリーナ姫路」は、昨年見事V1リーグに昇格しました。おめでとうございます。
眞鍋 まさか3年でV1に上がることができるとは思っていませんでした。監督や選手たちが頑張ってくれた結果です。今はまだ厳しい戦いの連続ですが、良い経験になっていると思います。
――チームとしての具体的な目標はありますか?
眞鍋 今年はまずはV1に残ること。そして次(来季)のリーグではベスト8に入りたいですね。
清元 姫路市はヴィクトリーナ姫路が、何年か先には必ずV1で優勝するだろうと思って応援しています。姫路という地域は元々スポーツに対する愛情と理解がとても強いので、これからもスポーツに参加する人口を増やし、裾野を広げることで、トップチームが成長していくような仕組みを維持していきたいと思います。
眞鍋オーナー「姫路に生まれて姫路でバレーボールと出会ったので、やはり姫路は愛してますね」
――また眞鍋さんは今年7月に開幕する東京オリンピックの聖火リレーランナーにも選ばれました。姫路で走ることへの想いは?
眞鍋 これまでプレイヤーや監督として見てきたあの聖火を持って、地元である姫路を走ることができることを本当にうれしく思います。姫路に生まれて姫路でバレーボールと出会ったので、やはり姫路は愛してますね。
――姫路市のなかでの「スポーツ」というコンテンツは、これからますます存在を大きくしていきそうですね?
清元 できる範囲で『からだを動かす』ということが大事です。あとはチームスポーツに参加することで人間関係も生まれますよね。
眞鍋 私は日本代表の監督を8年間務めていましたが、全国的に見てもこの姫路周辺の地域はバレーボール人口がとにかく多いと感じています。ママさんバレーのチームもたくさんあって……みなさん本当にお元気ですよ! 心身ともに楽しんでいらっしゃって素晴らしい。
清元 ひとつの目標に集まったチーム力で、お互いを思いやる信頼関係ができる。愚痴を言い合えるような関係を築けるという点も良いです。ヴィクトリーナ姫路のようなトップチームには、ぜひチーム力で勝てるということを市民プレイヤーのみなさんにも見せてほしいです。
清元市長「『人を大切にする』政策をもっと押し進めていきたい」
――そうしたスポーツの追い風も吹く姫路ですが、現在の課題についてはいかがお考えですか?
清元 全国的な課題ですが、やはり人口減少問題ですね。便利な市街地だけでなく、周辺地域の人たちも楽しく明るく暮らしやすいまちをつくることが大切です。やはり私が当選させていただいたのは医療の分野の強みがあったからだとも思っているので、核となる施設を作ったり医療体制の整備を徹底したりして、課題克服に向けて頑張ります。
――最後に改めて今年の抱負を教えていただけますか?
眞鍋 今年はチーム発足から4年目ですが、まずは上位進出を目指します。姫路・播磨地域の人たちに少しでも名前を覚えてもらって、今後も応援していただけるように頑張ります。
清元 行政としても、姫路からレジェンドとなるような選手やチームができるように、どんなスポーツもしっかりと応援していきたいです。また市内の教育機関においてはエアコンを完備したり、トイレの洋式化を進めていくことで、未来の姫路を支える子どもたちの環境を改善していこうと考えています。学校の環境を良くすることは、災害時の避難所環境を整えることにもつながりますから。こうした「人を大切にする」政策をもっと押し進めていきたいです。