ニュース番組をつくるテレビ局の内側……ドキュメンタリー映画『さよならテレビ』が、1月18日から神戸市中央区の元町映画館で、1月31日から豊岡市の豊岡劇場で公開されます。大阪市淀川区の第七藝術劇場と、京都市下京区の京都シネマではすでに公開中です。
放送業界をめぐる問題をありのまま見せるドキュメント作品。ニュース番組制作の実態を生々しく伝え、報道とは何か、マスメディアとは何か、テレビとは何か、を問いかけます。
若者のテレビ離れが止まりません。
かつてテレビは街頭の、お茶の間の、ダントツの人気者でした。この映画は、東海テレビ・夕方のニュース番組「みんなのニュースOne」の現場で働くテレビ局員を追うドキュメンタリーです。
豊かな広告収入を背景に、情報や娯楽を提供する民間放送は、資本主義社会で最も成功したビジネスモデルの一つだった。
しかし、その勢いはもうない。「テレビは観ない」と公言することがクールだった時代を通り越し、今はテレビを持たない若者も珍しくない。マスメディアの頂点でジャーナリズムの一翼を担ってきたテレビが、「マスゴミ」と揶揄されるようになって久しい。これは市民社会の成熟か、あるいはメディア自身の凋落か……。今、テレビで、何が起きているのか?
『ホームレス理事長』、『ヤクザと憲法』のクルーが、自社の報道部にカメラを入れた。
圡方宏史監督は、自社の報道フロアにカメラとマイクを入れて、記者やデスクを対象に密着取材を始める。デスクらは「気になって仕事にならない」、「取材なのだから同意を得てからやるべきだ」と困惑し、苛立って……。
もともと東海テレビで放送された番組「さよならテレビ」に新たなシーンを加え、映画化した作品です。放送業界内の反響が大きく、番組を録画したDVDは当時ひっそりと全国の放送関係者の間で回覧されました。
東海テレビでは2011年、情報番組の生放送で視聴者プレゼントの当選者を伝える際、ダミーの字幕として「汚染されたお米 セシウムさん」と表示する放送事故が起きたことがあります。こうした経験をした放送局で、現場を担う人たちはどんな思いを抱えているのか、注目です。(SJ)