震災25年  映画「スマスイ」特別上映に神戸市民1200人が感涙!

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震災25年 映画「スマスイ」特別上映会に1200人の市民が集まった(写真:「スマスイ」製作委員会)

スマスイの愛称で親しまれる神戸市立須磨海浜水族園を舞台にした本格的な映画「スマスイ」が、15日(水)神戸国際会館こくさいホールで無料上映され、1200人の市民が鑑賞した。昨年の夏休み期間中に同園内の特設シアターで公開された同作品は約4000人を動員する大ヒットとなり、その後、神戸市内の劇場でも一般公開された。
 1957年に神戸市立須磨水族館として開業したスマスイ。87年には特徴的な三角屋根の本館を中心とする姿に全面改装し、名称を現在の須磨海浜水族園として多くの市民に愛されてきた。しかし30年以上が経過し、老朽化のために2023年度中の建て替えが決定。須磨海浜公園のリゾート開発を含む同園の建て替えについては、新施設の高額な料金設定やシャチの飼育に反対する市民らが署名活動を行うなど、注目が集まっている。

仕事を失い、妻に逃げられた主人公・田中一郎が新しい職場に選んだスマスイで新米飼育員として奮闘するストーリー。就職活動と将来に悩む大学生カップルや、妻の仕事復帰を機に家族関係がぎくしゃくする夫婦、病を患い余命宣告を受けた医師とその妻。スマスイを訪れる3組がそれぞれのパートナーとの関係に向き合いながら未来への一歩を踏み出していく。そして一郎も人々の優しさにあふれたスマスイで成長を遂げていく……。

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建て替え前の姿を残す映画のワンシーン。(写真:「スマスイ」製作委員会)

また、物語では阪神淡路大震災直後のスマスイの様子も描かれ、当時の職員たちの熱意が胸を打つ。幸いにも建物本体と水槽ガラスに破損はなかったが、電気や水道が止まったことにより、多くの生きものの命が失われた。同園の歴史の中でも外すことのできない大きな出来事だが、最近では当時の写真を公開する機会も少なくなり、70人を超える現スタッフで、被災から復旧までを経験しているスタッフはたった3人しかいないという。


 震災から25年、市民にも当時を知らない世代が多くなってきた今、「映画を通して当時の様子を知り、命の尊さを考えるきっかけにしてほしい」と、同ホールが全面協力を申し出て大規模な無料上映会が実現した。同園飼育部長の大鹿達弥さんは「こくさいホールで上映してもらえるとは光栄です。須磨海浜水族園はこれほどまでに愛されているのだと、再確認しました。」と、涙を流した

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阪神淡路大震災直後のスマスイ。多くの生き物が命を落とした。(写真:神戸市立須磨海浜水族園)

映画には神戸の劇団赤鬼のメンバーのほか、スマスイで働く多くのスタッフも自ら出演した。イルカやラッコ、ゴマフアザラシ、ペンギン、熱帯魚など人気の生き物たちも総出演だ。なかでも一郎を見守るスマスイの主として登場するケヅメリクガメの大ちゃんは、ラジオ関西(神戸市中央区)でパーソナリティーを務める谷五郎さんのアフレコとともに名演技を見せた。

上映後には出演者らによるトークショー、主題歌を担当したアコースティックデュオのにこいちのライブなどで会場が一体となり、現在のスマスイの姿を脳裏に焼き付ける一夜となった。

映画「スマスイ」は今月24日から京都みなみ会館(京都市)、同25日からシネ・ヌーヴォ(大阪市)でも上映が決定している。

映画「スマスイ」公式ホームページ
https://www.sumasui.jp/movie/

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(画像:「スマスイ」製作委員会)