阪神・淡路大震災を知らない世代の高校生が、日本で相次ぐ地震についてより専門的に学んでいる。
兵庫県立龍野高校は先進的な理数系教育を行う、文部科学省の「スーパー・サイエンス・ハイスクール」に指定され、生徒らが播磨地域の北西から南東に潜む「山崎断層帯」の研究に取り組む。龍野高校・総合自然科学科の1年生約40人に向けた授業は1984年5月に起きた山崎断層地震でできた姫路市北部・安富町にある暮坂峠断層で行われた。
その露頭の1つ、三坂峠では地震で岩盤がずれるときに断層面にできる「条線」を観察。また、かつて繰り返された地震で2億5千万年前の硬い岩石が砕かれて粘土のようになった安富断層へ。
山崎断層帯は平安時代初期の868年に活動してから1,000年以上も大きな地震がなく将来的に、内陸地震が発生する可能性が比較的高いと指摘される。
25年前の阪神・淡路大震災を知らない生徒たちは、こう語る。
揺れを直接知らなくて、考えただけでも怖い。空想の世界でしかとらえられない。僕たちの力の及ばない範囲で地球の偉大さ、恐ろしさを感じた。
私たちの住むすぐ近くに断層があり、危険はそこに潜んでいる。これから「地学」を専門的に学ぶことになるが、学んだことをより多くの人に伝えたい……。
これまで、どこか他人事だったが、将来的に減災の手助けができればと思う……。
龍野高校は「スーパーサイエンスハイスクール」の指定校として平成30年度から2期目としてさらに5年間の指定を受け、地震ついて理解を深めた生徒たちを深い学びへ導き次の世代を担う人材として育成している。