大阪に『アンコールプロダクション』というおじいちゃん・おばあちゃんタレントが所属するプロダクションがある。代表は看護師・介護予防ダンストレーナーでもある、平岡史衣さん。病院で看護師として働くなか、ある思いを抱き、病院を退職。2019年、アンコールプロダクションを設立した。
「退院してからも生き甲斐がなくて、生きている意味を見失っているおじいちゃん・おばあちゃんが多かったので、そういう方々を応援したと思って、思い切って退職しました」
平岡さんは、おじいちゃん・おばあちゃんがタレントとしてそれぞれの特技や趣味、長年の知識を活かして社会で活躍し、生きがいを見出せるよう、イベント開催や日々街中で声を掛けてスカウト活動を行っている。
その、アンコールプロダクションに所属している、おばあちゃんの照子さんは言う。
「今までは、主人から言われて『家の中で掃除と洗濯と子育てしていればいい。外へ出たらダメ』という生活でした。でも今は(お仕事で)あっちこっちに連れていってもらえるのが楽しくて、毎日、元気になっていく気がしてね」
平岡さんによると、先日も、出演した空手のイベントで照子さんは気合のパンチを決めていたという。
照子さんは、バンド、ワタナベフラワーの「ナタデココ」のミュージックビデオにも出演しており、ヴォーカルのクマガイタツロウは、去年(2019年)、撮影していたときは、杖を突いていたにもかかわらず、今は杖を突かずに歩いていることに驚いたという。
これに対し、照子さんは「今は息子が通風でひざが痛いから貸してあげているんです(笑)」とのこと。
実際に、照子さんは、以前、デイサービスに通っていたが、今は通っていないという。手にはきれいなネイルも施されている。「『ネイルしたら元気が出るから。オシャレが大事』と子どもから言われてね。知らない方でも『わぁ、素敵!」と言ってくれるんです」。最近はエステにも通い、お肌はツルツルだ。
代表の平岡さんは、これからの夢について「『こういうおじいちゃんおばあちゃんになりたいな!』と思わせる人をどんどん増やしていきたい」と目を輝かせた。