一般社団法人兵庫県LPガス協会と兵庫県内すべてのコミュニティラジオ局は23日、地震など大規模災害が起きたときのLPガスの二次災害を防ぐため、防災協定を結んだことを発表しました。都道府県のLPガス協会と県域内全コミュニティラジオ局との防災協定は全国初のことです。
兵庫県LPガス協会と協定を新たに結んだ県内のコミュニティラジオは、エフエムaiai(尼崎市)、エフエムみっきぃ(三木市)、FMいたみ(伊丹市)、FMムーヴ(神戸市中央区)、さくらFM(西宮市)、FMジャングル(豊岡市)、エフエム宝塚(宝塚市)、FM GENKI(姫路市)、BAN-BANラジオ(加古川市)、HONEY FM(三田市)、805たんば(丹波市)の11局です。
各局は今後、震度5強以上の地震等大規模災害が各局の放送エリアで起こった場合、LPガスによる二次災害を防ぐため避難の際の対応(バルブの閉鎖)や復旧の際の注意(ガス漏れを起こさないため業者によるチェックを受ける)を放送で呼びかけます。
兵庫県LPガス協会は兵庫県下でLPガスを取り扱う527のLPガス販売事業者が加盟し、およそ48万戸にLPガスを提供。保安対策、需要の喚起などを進めているほか、近年は県内41市町との防災協定の締結や、避難所となる施設へのLPガス発電機の設置など、防災の取り組みを強めています。
2003年には県域ラジオ局であるラジオ関西と同様の防災協定を締結。ラジオ関西が県内コミュニティラジオのネットワークである「兵庫県地域ラジオネットワーク(ラジネットひょうご)」の事務局を担っていることから、県内コミュニティラジオ全局との協定締結を働きかけ、全国初の防災協定が実現しました。
今回の協定締結について兵庫県LPガス協会の金本州司会長は、「災害時の最も有効な伝達手段といえばラジオ。今後の災害への備えを形にできた」と話しました。
一方、コミュニティラジオ側も、さくらFMの出口剛・代表取締役社長が「防災はコミュニティラジオの一番の使命。地域メディアとしてきめ細やかに情報を住民に提供したい」と語ったほか、「自然災害はいつ起こるかわからない。地域に有益な情報を提供していきたい」(BAN-BANラジオを運営するバンバンネットワークスの榎本悦司常務)、「災害を完全に防ぐことはできないが、今回の協定を通じて減災・防災に備えていきたい」(FMムーヴの河原拓宏取締役)と、各局が抱負を述べました。
会見に同席したラジオ関西の桃田武司代表取締役社長は「地域を細かくフォローしているコミュニティラジオとともに情報を発信できる形ができたことは大きい。地震・台風・水害と災害の対応は多岐にわたっているので、共同して二次災害防止の啓発に取り組んでいきたい」と今後の連携に期待を込めました。