アニメ『僕のヒーローアカデミア』の飯田天哉役などで知られる声優・石川界人が自身のラジオ内で一部配慮に欠けた発言があり、これが不適切と指摘され、実在の酒造銘柄をキャラクター化したプロジェクト『神酒ノ尊―ミキノミコト―』の越乃寒梅役を降板することになった件について、落語家の桂春蝶は、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で持論を展開した。
●桂春蝶
まずね、「ラジオ内で一部配慮に欠けた発言があり、不適切と言うご意見があった」という、この不適切という言葉が強すぎるんじゃないかなと。酒造メーカーがスポンサーをしている番組で、日本酒のマイナスイメージにつながるような発言をしたというようなことが言われているんですよね。それは悪いとは思うけど、辞めさせるぐらいのレベルの話なのかなと思うよね。
これ、普通の会社やったら、そんなことで辞めさせるのは、社長の気悪いことをひとこと言ってしまったからクビにするのと同じだからね。会社だったら減給にするとかで、完全にクビにすることは法律で禁じられてるわけでしょ。なのに、タレントって立場の人は、ここまで簡単に辞めさせられると……。
完全にこれは、ラジオ局側がスポンサーに忖度して辞めさせてるよね。ラジオ局も、経済的なことで段々と詰められていると思うねんけど、ものすごい間違った判断を下していることが多くなっていってる気がする。とりあえず、目先のこの金が大事ということで、ほんまに大切なものをみすみす逃してしまったりとか、余計失ってしまったりとか、負の連鎖やと思うのよね。
俺、スポンサーも、そこまでマジで怒ってないと思う。人権やパワハラの問題がよく言われる今の時代だからこそ、ラジオ局やタレントやスポンサーのあり方も、もうちょっと寛容になって欲しいね。
もし、僕がプロデューサーの立場だったら「そんなもんタレントがちょっと言うたぐらいでな、ガチャガチャガチャガチャ言うたらアカン!」と言うって。「そんなもん、器が小さすぎるやろ。そんな器で日本酒が飲めるかい!」と言って、俺がクビになるっていう……(苦笑)。