桂春蝶「ちゃんとしたデータというものを見ていかないと、本当に本質は見えてこない」

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 僕が、今、ハマっている、何回も何回も読み直さなあかんなと思ってる本があるんです。それは『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(日経BP社)。これは、思い込みというのをやめて、データだけで正しく見る知識とか、見解とか世界観というのを根付かせていきましょうという推奨を促すための本なんです。

桂春蝶
桂春蝶(写真:ラジオ関西)

 書の中で、13の質問をされるコーナーがあるんです。例えば、世界の平均寿命について。その正解は70歳くらい。世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子は? 答えは約80パーセント。途上国というのは何か国? 実はもう地球上で13か国しかなくて、全体の人口の4パーセントだけ。概念で言えば、あとはもう全部先進国だと。だから、ほとんどがだいたい中流の暮らしを送っているということなんですよ。そうやって、データで見ていけば、見えてくるものがたくさんあると。そういったことが書かれています。

 この本では、今みたいな13の質問を、世界の何万人という高学歴の方だけにやってもらったデータをとると、正解率が7パーセントしかなかったそう。チンパンジーがランダムに答えていったら33パーセントだから、人間というのは、こういった質問に対して、軒並みチンパンジーよりも正解率が低いということやねん……。

 どういうことかと言えば、よく言われる紛争とか貧困とか環境などの問題に対しては、世界はなぜ正しい知識が持てないのかというと、人間というのはそもそも「ドラマチック過ぎる世界に流されていくという傾向がある」らしいと。

 だから、溶けていく氷にしがみ付いてるシロクマの写真を見てしまうだけで、「世界は破滅する」という思考に直結しやすいものなんですよ。それは破滅に向かっている可能性もあるけど、その写真だけで判断するのではなく、ちゃんとしたデータというものを見ていかないと、本当に本質は見えてこないよと。

 そういったことを書いてあるのが、この本やねん。

 ドラマ的な方に流される人たちが多いからこそ、メディアでもそれが商いになってしまって、より一層それを煽るみたいなものも発生したりするので。そういうのはいかがなものかなというのは思いますね。だから、正しい情報を得ていきましょうということですよね。(桂春蝶)

※ラジオ関西『桂春蝶のちょうちょ結び』2020年2月8日放送回より