京都の世界文化遺産・清水寺では、仏教を開いた釈迦の入滅を描いた「大涅槃図」が2月24日まで一般公開されている。
清水寺では釈迦が亡くなったとされる2月15日に、その遺徳をたたえる法要「涅槃会」が執り行われる。
重要文化財・経堂に掲げられた「大涅槃図」は、江戸時代中期の狩野派の絵師・山口雪渓が描いたもので縦が約4メートル、横が約3メートルあり、2003年に約1年をかけて全面的に修復され当時の鮮やかな色が蘇った。
学芸員の坂井輝久さんは「室町期のものとは違い、比較的保存状態や発色が良いため美しく蘇った」と話す。
新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受けて中国政府が海外への団体旅行を禁止したことで、京都の人気観光地では観光客が激減し、清水寺とその参道「清水坂」なども人はまばら。
1980年代、行政と寺社が導入をめぐって対立し、寺社が拝観停止とした「古都税問題」以来の観光客の少なさとも指摘されている。