新型コロナウイルスの影響は裁判員裁判にも及んでいる。
神戸地裁は4日までに、感染拡大防止のため、3月に予定されていた裁判員裁判2件で裁判員選任手続きと公判の期日を取り消した。大阪地裁でも本庁と堺支部の合わせて4件が取り消されている。
裁判員裁判では初公判の前に、呼び出しを受けた市民が集まり裁判員を選ぶ「選任手続き」がある。
こうしたことから神戸地裁は「感染拡大を防ぐために極めて重要な時期であり、感染の流行を早期に終息させるために徹底した対策をとる必要があることから、多数の人に出頭義務を課す選任手続きを取り消した」と説明している。
裁判員制度の導入は2009年。折しも春先に新型インフルエンザの流行があった年だ。裁判員裁判はこの年の5月21日以降に対象となる事件で起訴された被告人に適用され、裁判員裁判の第1号の初公判が8月3日(東京地裁)に開かれており、大きな影響はなかった。