大阪市内のライブハウスの参加客が相次いで新型コロナウイルスに感染している。
兵庫、大阪、京都3府県で7日までに、新たに13人が新型コロナウイルスに感染したことが判明、このうち11人は感染者が複数出た大阪・京橋と西天満の2か所のライブハウスだった。この2か所では兵庫の5人を含め、ライブに参加した東京から九州までの40人以上の感染が確認された。
ウイルスの小規模な集団感染「クラスター」。いずれの会場は身動きが取れないほどの密閉空間だったとみられる。2か所とも訪れた男性もいた。客のウイルス感染という連鎖は否定できない。
さらに川西市の40代の男性会社員は発熱前の2月21日、多くの感染者が出た2か所のライブハウスとは別のライブハウスを1人で訪れていた。こうしたなか、姫路市内の病院に勤務する50代の女性看護師の感染が確認された。兵庫では12人の感染が確認されている(3月8日現在)。
女性看護師は通勤に公共交通機関を使っておらず、ほかの感染者と接触歴もない。海外渡航歴はなく、感染者の確認が相次ぐライブハウスにも行っていなかった。姫路市は感染経路と濃厚接触者とされる約90人の健康観察を進めるが「市中感染の可能性も否定できない」としている。
感染経路が不明の市中感染。各自治体は感染が確認された患者の濃厚接触者の健康調査を進めるが、感染経路が把握できるか見通しが立たない。感染者が通勤などのために鉄道を利用するケースが相次いでいるため、JR西日本は順次、新幹線も含む全ての車両で消毒作業を行う予定。
近畿2府4県で8日までに新型コロナウイルスの感染が確認されたのは94人。府県別では兵庫県が12人、大阪府が55人、和歌山県が14人、京都府が8人、奈良県が4人、滋賀県が1人。