境内には10本ほどの桜の木があり、満開になると桜一色に染まります。神社の屋根瓦には桜がデザインされていて、花と瓦の桜が同じような色になると言います。
さて、尼崎に初めてお城が作られたのは、1519年、細川高国によるものとされています。そこから下ることおよそ100年、1617年から築城が始まったのが、近世の尼崎城です。大坂夏の陣の後、大坂城の西の守りとして築かれました。庄下川を西の外堀とする3重の堀と4層の天守を持ち、その規模は甲子園球場の3.5倍ともいわれました。沖から見ると城全体が海に浮かんでいるように見え、水に映る美しい姿は、「琴浦城」と呼ばれ、親しまれていました。
およそ12メートルの天守台石垣の上に18メートルの高さを持つ層塔式の大天守は、唐破風や千鳥破風といった屋根飾りをつけるなど意匠が施され、シンプルだけど堂々とした美しい外観を持っていました。
本丸を中心に、時計回りに松の丸と南浜からなる二の丸、東西2つある三の丸と外側に渦巻き状に広がる渦郭式で、本丸にはすぐに近づくことができない構図になっていました。
およそ250年にわたって、尼崎のシンボル的な存在でしたが、1873年、廃城令の後、取り壊されてしまいました。周辺には「城内」という地名が残っており、ここに天守があったということを感じさせてくれます。
そして現代によみがえった尼崎城。周辺の桜を楽しみながらの散策を楽しむのもいいかもしれません。
尼崎城は、阪神尼崎駅下車、南へ徒歩5分のところにあります。営業時間は午前9時から午後5時まで。月曜日(祝日の場合は営業、翌日休)と年末年始(12月29日から1月2日)が休城。なお、3月23日までは臨時休城中です(3月17日現在)。問い合わせは尼崎城址公園管理事務所、電話06-6480-5646。尼崎城の南側にある尼崎城史跡櫻井神社への問い合わせは、電話06-6401-6643。