加古川市の鶏卵販売会社が販売する兵庫県産の鶏卵が、ニューヨークの高級焼き鳥店で使用されることになった。国産鶏卵がアメリカ本土へ輸出されるのはこれが初めてだ。
このブランド卵を手掛けるのは、株式会社セーラー。高級ホテルや料亭をはじめ、全国の有名店を支える最高品質の卵を販売する会社だ。自社の養鶏所から極上の卵を高級店や各家庭に届けている。
その名も「日本一こだわり卵」という商品は、エサ、水、飼育環境にこだわって大切に育てられた鶏が産んだ卵だ。
広報部の平井健一さんに話をきくと、「こだわり卵」の鶏には雨水や水道水を使っておらず赤穂の山中からくみ上げて品質管理しているモノを与えているので、白身もまろやかで臭みがないという。エサはタンパク質とビタミンEが豊富な小麦胚芽、オメガ3脂肪酸を多く含むイワシの魚粉、そして鶏が食欲を維持するために赤パプリカも配合されている。
通常、鶏が卵を産む期間は生後150日から700日までだが、「こだわり卵」はすべて生後200日から400日の間に生まれた卵だけ。若くて活力のある鶏の卵しか採取していない。そのため黄身は濃厚でクリーミー。鮮やかなオレンジ色で栄養満点だ。ビタミンEを豊富に含み、その濃度は通常卵の約30倍にもなる。
東京都品川区にある高級焼鳥店『鳥しき』が「こだわり卵」を高く評価し、使っている。この実力が認められて、ニューヨークの高級焼鳥店『TORIEN』で使用されることになり、もうすぐ輸出する。新型コロナウィルス収束後、『TORIEN』をはじめとして、ミシュランガイド掲載の焼鳥店(4~5店舗)で使われる見込みだ。飛ぶことのできない鶏だが、卵が兵庫からアメリカへ飛び立つ。
一方、セーラーの極上の卵は、飲食店関係者でない一般の人でも、ネットで簡単に買うことができる。同社のホームページでは、卵はもちろんのこと、バームクーヘンやカステラなど、「こだわり卵」を使用したスイーツも販売している。世界に羽ばたく丹精のこもった卵の味を、この機会に食してみたい。
株式会社セーラー ホームページ
https://www.kodawaritamago.com/