聖徳太子ゆかりの四天王寺(大阪市天王寺区)は新型コロナウイルス感染拡大防止のため10日からすべてのお堂を閉める。期間は未定。
四天王寺によると、太平洋戦争の空襲でお堂が焼失して参拝できなくなったことはあったが、自主判断での閉堂は6世紀(西暦593年)に聖徳太子が創建して以来初めてという。
境内には入れるが、金堂の拝観やお堂での先祖供養などの申し込みはできなくなる。永代供養は従来通り僧侶が堂内で行う。
3月以降、密閉空間となる五重塔や休憩所などを閉鎖し、六時礼讃堂などでの供養の参拝も堂外からに限るなど対策を進めていたが今回の緊急事態宣言を受け、より強い対策が必要と判断した。
四天王寺では4月3日、聖徳太子による「十七条の憲法」が制定された日にちなみ、新型コロナウイルスの感染拡大の鎮静化を願って書家による奉納揮毫(きごう)が行われたばかり。
四天王寺は閉堂措置について古来からのお寺のやり方に固執するのではなく、現代のやり方に沿って決断。「現在の厳しい状況の中で、ご参拝される方と関係するすべての人たちの健康を最優先としつつ、出来得る限りお寺の役割を維持し、皆さまの要望を受け入れるよう尽力していく」としている。