木の地産地消、すべて『ヒノキ』の家づくり 兵庫・多可町の工務店

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 地元の「ヒノキ」だけを使った家づくりに、兵庫県多可町の工務店が取り組んでいる。太田工務店の「オールヒノキ住宅」は、2017年に篠山市で1号物件が完成したのを皮切りに、2月末の時点で建築に着工した件数は5棟、多可町産のヒノキの活用した本数はあわせて4,000本を超えた。

「オールヒノキ住宅」の中のようす(提供:太田工務店)
「オールヒノキ住宅」の中のようす(提供:太田工務店)
「オールヒノキ住宅」の中のようす(提供:太田工務店)
「オールヒノキ住宅」の中のようす(提供:太田工務店)

 多可町は昔からヒノキの植林が盛んで、植林された森林の7割をヒノキが占める。かつては全国に出荷していたが、近年はそもそも住宅の数が減り、木材の消費量も減少。そもそもヒノキは一般の民家に使うには値段が高いが、輸入木材が使われるようになったことから国産の木材はより、使われなくなった。町内の製材業者も10数社から2社にまで減少。林業の衰退により山が荒れると、土砂崩れなどの災害にもつながりかねない。

多可町の植林された森林はヒノキが7割を占める(提供:太田工務店)
多可町の植林された森林はヒノキが7割を占める(提供:太田工務店)

 困った地元の山の所有者が、太田さんに「ヒノキをどんどん使って、文化を広めて欲しい」と依頼。太田さんは「何とかしないと」との思いから、建築の材料にヒノキを使い始めた。いわゆる「木の地産地消」だ。

建築途中の「オールヒノキ住宅」(提供:太田工務店)
建築途中の「オールヒノキ住宅」(提供:太田工務店)

 初めは普通の工務店で、基本的には大工職で生計をたてていたという太田工務店だったが、多可町産ヒノキを取り巻く現状を変えようと、補助金を活用し「超低温乾燥庫」と「製材機」を導入。これで丸太の状態から製材できるようになり、22℃の低温で1か月間乾燥させることで、▼ヒノキの良い香りの保持、▼木が長持ちする丈夫な家、▼コスト削減による大手住宅メーカー並みの坪単価、などを実現できたという。

「製材機」の導入により、丸太の状態からの製材が可能に(提供:太田工務店)
「製材機」の導入により、丸太の状態からの製材が可能に(提供:太田工務店)
22℃の低温を保つ「超低温乾燥庫」(提供:太田工務店)
22℃の低温を保つ「超低温乾燥庫」(提供:太田工務店)

 今後は「多可町のヒノキ」のブランド化を目指し、地域で「ヒノキ」に触れられるイベントを開催する。例えば、「ひの木ん魚すくい」という遊びは、多可町産のヒノキを使った金魚の型を水に浮かべ、金魚すくいのようにするもの。ヒノキを身近に手にできるものづくりをしようと、太田さんの実娘が企画している。太田さんは「海外にも多可町産のヒノキや地域の素材を通して、多可町という地域を広めていきたいと思っている」と意気込んでいる。

「ひの木ん魚すくい」の様子(提供:太田工務店)
「ひの木ん魚すくい」の様子(提供:太田工務店)

※ラジオ関西『PUSH!』2020年4月9日放送回「わがまちひょうご」より

PUSH! | ラジオ関西 | 2020/04/09/木 15:00-16:00

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