「批判重く受け止め」離任の兵庫県警本部長が釈明 神戸西署・クラスター感染 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「批判重く受け止め」離任の兵庫県警本部長が釈明 神戸西署・クラスター感染

LINEで送る

この記事の写真を見る(3枚)

■離任会見、一転釈明に

神戸西警察署の幹部らが3月下旬に神戸市内の居酒屋で懇親会を開催し、当時の署長や副署長ら出席者が相次いで新型コロナウイルスに感染したとされる問題で、兵庫県警の加藤晃久本部長は17日「県民からの批判を重く受け止める」と述べた。しかし懇親会については一定の配慮をして開催されており開催自体は非難しない」とした。

加藤本部長は4月20日付で近畿管区警察局長へ転出、発言は離任会見の席上だった。


加藤・兵庫県警本部長
加藤・兵庫県警本部長(兵庫県警本部で)

■事実関係の確認に行き違い

神戸西警察署では4月7日に50代男性警視の感染が確認され、19日までに署長や副署長をはじめ署員12人の感染が相次いで判明、現在も署員約120人が自宅待機。

兵庫県警は当初、ラジオ関西など報道機関各社に、いわゆる『飲み会』という名の懇親会はなかったと説明しながら、のちに開催されていたと一変させた。一連の対応について加藤本部長は「(兵庫県警内部での)事実関係の確認に行き違いがあった」と釈明した。
当時、神戸西警察署の副署長は内部の聞き取りに対し懇親会を開いた事実はなかったと報告していたが、のちにコロナウイルス感染拡大状況を踏まえ、人数を絞って開催したと証言を変えた。


兵庫県警本部(神戸市中央区)
兵庫県警本部(神戸市中央区)

■「懇親会が感染の直接原因なのか?」一部意見も

井戸敏三・兵庫県知事が不要不急の外出や会合の自粛を求めるメッセージを発出したのは3月19日。兵庫・大阪間の往来自粛をめぐり吉村洋文・大阪府知事とのけん制も繰り広げられた日だ。

神戸西警察署の懇親会は署長、副署長らが定期異動で着任した翌日の3月27日に開かれた。政府による兵庫・大阪・東京など先行する7都府県に向けた緊急事態宣言の発令前だった。

兵庫県警内部では「やはり不謹慎。脇が甘いのではないか」「異動直後とはいえ署のナンバー1,2が参加してこの時期に飲み会をするとは危機管理がなっていない」という意見が大半だった。
一方で「果たして懇親会自体が感染の原因なのか?明確な根拠が見出だせていない。署の幹部なら毎日のように幹部が署長室などに一堂に会して朝礼など短時間の打ち合わせも多い。署長と副署長が交代した定期異動の直後でもあり、しかも警察では報告や指示が綿密に行われる。その場でいわゆる『3密』の状態が形成された可能性が高いのでは」との声もあった。


神戸西警察署
神戸西警察署では約120人の署員が「自宅待機」

■署の機能低下は絶対阻止

神戸西警察署では100人を超える署員が自宅待機、幹部の一部は「テレワーク」で業務を指示しているという。庁舎内の消毒作業などはすでに終えているが、業務の一部は庁舎の外で行っているのが実情。また管内の治安悪化が懸念される。兵庫県警は本部の刑事部や交通部、機動捜査隊から応援の警察官を派遣。

応援部隊の1人はラジオ関西の取材に「このような時こそ誰のために、何のために警察があるのかを考えなくてはいけない。事実を真摯に受け止めて市民の不安の解消と信頼回復に努める、今はこれに尽きる」と語った。





 

LINEで送る