また秋には、茨城の笠間から仕入れた栗を使用したコンフィチュールも販売される。季節限定の商品なので、折をみてチェックしたい。
「モン・シェリ」とはフランス語で「ダーリン」のような意味。この店名の由来を尋ねると、田野さんは恥ずかしそうに命名の経緯を語ってくれた。
「お店が主人の代わりだからかもしれません」
60歳の頃、突然ご主人を亡くし、悲しみに明け暮れている自分を奮い立たせて始めたのが、ジャム作りだった。亡くなったご主人のことを、機嫌の良いときに「モン・シェリ」と愛称で呼んでいたのだそう。「お小遣い欲しいときもそう呼んでいましたよ(笑)」と田野さんは笑う。
しかし……、
「一生懸命つくって並べたジャムを見て、きれいでいいね、と買ってくださるお客さんがいるんです。あれ、話しながら考えると、私、ジャムのために働いていないかも。だとしたら『主人』という答えも間違っていたかもしれないですね……」
一呼吸おいてから、田野さんは改めて話し出す。
「やっぱり一言で表現するなら、(お店は)私の生きがいかなぁ」
ご主人を亡くし、子供たちも独り立ちした。「家庭での役割を終えた今も、毎日楽しめる仕事があって幸せです。『ジャムの瓶を持ったまま倒れて死んでたら最高!』みたいに思っていますね。だからジャムは私の生きがいなんだと思います」と、まだまだ元気いっぱいに答えてくれた。
神戸モン・シェリ
住所 神戸市東灘区鴨子ケ原3丁目26-21
営業時間 12:00~16:00 金曜のみ
※店舗への問い合わせ時間帯は、月曜、火曜、木曜、金曜の9:00~12:00(水曜、土曜、日曜、祝祭日は休み)
アクセス 神戸市バス「鴨子ヶ原2丁目」から徒歩約2分、阪急御影駅から徒歩約20分。駐車場有り(3台)
公式サイト・オンラインショップ http://kobemoncheri.com/
※兵庫県の休業要請に伴い、4月13日より当面の間、御影本店は臨時休業中。ただし、オンラインショップは営業中。店舗の営業再開時期については公式サイトを要確認。
※情報は2020年4月22日現在のものです。最新の情報は、直接お店にご確認ください。
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