福岡の教育関連企業「株式会社日本学術講師会・株式会社ガクジュツ」は、小学校4年生から中学生・高校生の学習支援策として、同社の有料映像授業教材「Oneネット学習」を5月まで受講料無料で配信すると、10日に発表した。PC、タブレット、スマホなどで、ネット環境が整備されていれば、24時間何度でも視聴可能。
「Oneネット学習」は、講師による映像授業で、文科省の学習要領に沿った授業内容で構成。通信高校やサポート校のタブレット授業としても採用されている。学校の授業の要点説明から問題解説などもあり、講義映像約5000タイトルから学習内容を分類できる。1.5倍、2倍速の倍速機能がついているので時短学習にも便利という。
新型コロナウイルスの拡大によって2020年3月から一部で休校などが続く状態から、同社では、中学・高校の新入生はもちろん、受験を控えた学年、進級して新学年の内容を学習しなければならない状況を危惧。自宅での学習を少しでも改善したいとの考えから、有料教材の無料配信に踏み切った。
【無料学習室『学術の森』】
2013年11月18日より開校された「一般社団法人学術の森」では、経済的に苦しい子どもたちや勉強をする場所がない子どもたちに無料で学習室を開校している。コピー機の利用、参考書の貸し出しが無料でできるほか、質問に答える講師も駐在。今年で7年目となるが、卒業生を含む2,600人の子どもたちが利用し、日々100人の生徒が勉強にはげんでいるという。運営は、地域の企業からの協賛支援で成り立っているとのこと。※緊急事態宣言にともない、5月6日まで休校中。
【普賢岳の子どもたちにボランティア家庭教師を派遣】
1990(平成2)年7月から1991(平成3)年12月まで続いた雲仙・普賢岳の噴火。当時、普賢岳のふもと、島原で、土石流や火砕流にのまれ、家も学校もなくした高校受験を控えた子どもの母親が「教育が心配」との現状を吐露。地元新聞の記事でその思いを読んだ「株式会社日本学術講師会・株式会社ガクジュツ」の中村信二社長は「なんとか手助けしよう」と教師の派遣を思いつき、夏休み前にもかかわらず160人を超える家庭教師を連れて島原に入った。その後、夏休み期間を利用し、公民館や寺を教室に使って子どもたちを無料で教えた。教師たちの交通費・宿泊費・食費などはすべて同氏が負担。一部からは「売名行為だ」と心ない中傷を受けつつ、熱心に勉強する子どもたち、親御さんや町の人たちの温かい言葉、支援の気持ちを力に活動を継続。同年の冬休みはFAX端末を6台設置して指導に当たったという。今回のコロナ禍にも同じボランティア精神で、新学期が始まりすでに1か月学校に行けていない子どもたちへの学習の遅れをサポートできたらと「無料配信」を行うとしている。
日本学術講師会「oneネット学習」
https://www.gakujutsu.com/onenet/