新型コロナウイルスの感染拡大による、兵庫県から民間施設への休業要請のあおりを受け、但馬地域で唯一の映画館、豊岡劇場（豊岡市元町）が15日から映画上映を取りやめている（併設するレストランが営業しているほか、ロビーで飲み物の持ち帰りは可）。苦しい状況のなか、9月以降に使える前払い制のチケットを販売。27日時点で200人以上が購入し、150万円を超える支援が集まっている。
同劇場は実に85年もの間、映画館の枠を超えた大衆文化の場として多くの周辺地域住民に愛され続けたが、2012年に一度閉館。これにより、一度は「兵庫県北部に映画館がひとつもない」状況になったが、住民の再生プロジェクトにより2014年によみがえった。「映画館で映画を観る、という選択肢を残し続けたい」「テレビでもスマートフォンでもない映画体験の場を存続させたい」という想いが実を結び、2019年の1月〜3月には約4,600人が訪れるなど、着実にファンを獲得してきたが、今年は2500人まで落ち込んだという。
同劇場が販売しているのは、「豊劇応援チケット」「U18みらいチケット」の二種類。いずれも有効期限は2020年9月1日〜2021年2月28日の6か月間で、劇場店頭、もしくは劇場のオンラインストア（ｈｔｔｐｓ：／／ｔｏｙｏｇｅｋｉ．ｓｔｏｒｅｓ．ｊｐ／）で購入できる。
■「豊劇応援チケット」……3,000円／5,000円／10,000円の3種類。チケットは豊岡劇場での映画鑑賞に使え、1割お得になるしくみ（例：5,000円のチケットを買うと、5,500円分の金券として使用できる）。
■「U18みらいチケット」……1,000円。チケットは窓口で預かり、18歳以下なら無料で映画を鑑賞できる。
豊岡劇場の伊木翔さんは、「大変なときですが、あなたの家の近くの小さな映画館のために、現在ウェブ上で支援を集めている“ミニシアター・エイド基金”など、映画館の救済にご協力よろしくお願いします」と呼びかけている。
