金・プラチナは、実は空から降ってきた! 西はりま天文台センター長が語る【兵庫県立大学の先生が語るシリーズ】 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

金・プラチナは、実は空から降ってきた! 西はりま天文台センター長が語る【兵庫県立大学の先生が語るシリーズ】

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 我々の身近にある、金・プラチナ。地中から見つかっており、まるで地球から誕生していると思われているが、実は、空からやってきたものだというのはご存じだろうか。4月13日のラジオ関西『PUSH!』で、兵庫県立大学西はりま天文台センター長の伊藤洋一さんが、金・プラチナの誕生について語った。

 伊藤さんによると、現在、金・プラチナの誕生について、“超新星爆発”と“中性子星合体”の2つの仮説が立てられているという。

 1つは、超新星爆発(太陽よりも重い星が一生を終えるときに起きる爆発のこと)が起きた際、中心部では爆発の影響で強い圧力がかかる。その圧力がかかったとき、金・プラチナができたという説。

 もう1つは、超新星爆発で、原子核を構成する要素の1つの“中性子”が生まれ、それが集まる星と星が衝突して重力波が起こったとき(中性子星合体)に金・プラチナができるという説。

 実際に、中性子星合体の撮影が、西はりま天文台にある日本国内最大級の望遠鏡「なゆた望遠鏡」で1度だけ成功したそうだ。

 その2つの仮説で誕生した金・プラチナが、大昔の地球に宇宙から降り注ぎ、今、私たちの身の回りで使われているという。

 しかし、やはり明確な金・プラチナの誕生については解明されておらず、誕生の謎を解明する道はまだまだ続くだろう。

 そんな宇宙の神秘について語った伊藤さん。宇宙に興味を持ったのは、小学生のときに“サンタさんからの贈り物”として「天体望遠鏡」を手にしたことがきっかけだったそう。当時、東京に住んでいた伊藤少年。明るい東京で見ることができた星の数も限られていたなか、天体望遠鏡で空を望むと、そこには土星が見えたという。初めて見る惑星に感激した伊藤さんは、時を経て、今は、星がどんな風に生まれるのか、おうし座を専門に約30年研究を続けており、発見した星は50個におよぶ。

 その伊藤さんも参加する、西はりま天文台開設30周年記念シンポジウム「宇宙、ムチュウ、観測中 ここまでわかった宇宙のすがた」が5月31日に開催される予定だったが、延期となった。次回は、秋・冬頃を予定とのこと。放送では、時折ユニークなギャグを交えながら、聞き手をクスっとさせる伊藤さん。直にその講演が聴けるシンポジウムの次回開催が楽しみだ。

「宇宙、ムチュウ、観測中 ここまでわかった宇宙のすがた」
「宇宙、ムチュウ、観測中 ここまでわかった宇宙のすがた」(兵庫県立大学西はりま天文台センター ホームページより)

兵庫県立大学西はりま天文台センター ホームページ
http://www.nhao.jp/public/

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