女子バレーボールのトップカテゴリー、Vリーグ1部(V1)のヴィクトリーナ姫路応援番組『いいな117ヴィクトリーナ』(ラジオ関西)。かつてヴィクトリーナでプレーし、現在はフロントスタッフの一員でもある菅原未来がパーソナリティーを務め、ヴィクトリーナ姫路の情報を届けている。4月27日放送回では、今月のトピックスの1つとして兵庫県宍粟市と協定を結んだ話題とともに、4月1日に新監督就任が発表された中谷宏大氏のインタビューをオンエアした。
ヴィクトリーナ姫路を運営する株式会社姫路ヴィクトリーナと宍粟市は2020年4月1日付けで包括連携と支援協力に関する協定を締結。自治体との連携協定は、姫路市、加西市に次いで3番目になる。番組では、宍粟市の福元晶三市長のコメントを紹介。そのなかで、福元市長は「バレーボールを通じて青少年の健全育成、市民の健康増進に大きな期待を寄せています」と語った。今後は「宍粟ヴィック応援隊の発足」「少年少女バレーボール教室の開催」「オフシーズンのミニキャンプを市内で実施」といった取り組みを実施。ヴィクトリーナとしては今回の協定を通じて、地域の活性化に寄与するとともに、宍粟市の良さを多くの人に伝えていきたいという。
番組の後半では、竹下佳江前監督(現、球団副社長)からバトンを引き継いだ中谷新監督が電話出演。今の思いを聞いた。
就任に際しては「本当に自分でいいのか、自分でない方がいいんじゃないかという葛藤がありました」と率直な思いを吐露した中谷監督。それでも、「いろんな方とお話をしていくなかで、覚悟は決まっていきました。今は本当にチームや選手一人ひとりを成長させてあげられるように、まず自分自身が成長しないといけないという思いでいます」と強い意気込みを語った。
インタビューのなかで「女性ばかりの集団をまとめるのは難しいのではないか」という質問には「難しいです」と即答するも、「みんなが同じベクトルを向けたときに、集団が生み出すパワーというのは、男性よりもはるかに大きい」と女性だからこそのよさを実感する中谷監督。「どうやってそこまで持って行くかというプロセスが本当に指導者にとっては難しいところだと思います」という1980年生まれ、39歳の新指揮官の今後の手腕に注目だ。
新シーズンへのチームの課題としては「今は昨シーズン(2019-20シーズン)のデータを全部洗い直してるところ。正直 V1リーグで12位という順位が表す通り、すべてのスキルで劣っているのが現状です。そのなかで、一つひとつのスキルをレベルアップしていかないと、これから先、 V1で上位を狙うことはできないと思うので、そこを高めることが第一。それ以上にその土台となるフィジカルのレベルアップを今年は重点的にやっていきたい」と、早速、チーム強化に着手している。
「今年はチームとして、ものすごく若返ります。自分を含めて、経験という部分ではでおぼつかないところがたくさんあると思いますが、『伸びしろ』という部分では、他のチームに比べたらすごく大きいものがあります」と、ヴィクトリーナの進化に、大きな可能性を見出している中谷監督。「成長する集団でありたいと思っていますので、皆さまにも期待の目で見て欲しい」とファン、リスナーに呼びかけていた。
新型コロナウイルスの終息が見えないなかで、全体的にも不安な毎日を過ごす日々。また、ヴィクトリーナ姫路も現在活動を自粛中で、「ステイホーム」を実践しながら、自宅でできることを日々行っているという。そのなかで、中谷監督は、偉大なアスリートのひとり、サッカーのカズ(三浦知良)を例にあげ、スポーツの力の大きさを語るとともに、ヴィクトリーナのさらなる飛躍へ、熱い思いを述べていた。
「今とは状況も違って一概には言えませんが、(2011年の)東日本大震災の直後にいち早くサッカー界がチャリティーマッチを行い、その試合で三浦知良選手がゴールを決めたことが印象に残っていて、私自身も本当に心を打たれるものがありました。そのとき、きっと日本の多くの方が何かを感じたんだと思います。スポーツで感動を与えるとか勇気を与えるということは、もしかするとおこがましい思いかもしれません。でも、必死に毎日取り組んで、その結果を見た誰かに影響を与えることができる、スポーツにはそんなパワーがあると思います。私たちは現在日本で唯一のプロバレーチームとしてそんな選手をひとりでも多く排出していくことが使命だと思っています。まだまだ力のないチームですが、できる限り取り組みたいと思っていますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします!」(中谷監督)