新型コロナウイルスの感染拡大防止で続いている外出自粛と休業要請の緩和に向けて、大阪府が示した3つの基準、「大阪モデル」。兵庫県の井戸敏三知事は、5月12日に電話出演したラジオ関西の番組で「兵庫県にあてはめれば、4月の下旬から全部クリアしている」としながらも「発症者数が違うので、そのまま兵庫県にはあてはめるわけにはいかない」と慎重な姿勢を示した。
「5月4日に緊急事態宣言が延長された直後から出口の議論が始まった。それが心配」といい、「件数が少なくなっているのは、あくまで4月の下旬の外出抑制の成果。ここで緩めば2週間後にぶり返す」と注意を呼びかけた。
14日にも開かれる政府の専門家会議に呼応する形で兵庫県も判断基準の検討に入るが、「考えられるのは新たな発症者数の推移と治療体制の2つ。なかでも重症患者用のベットにどれだけ余裕があるかは重要な指標」と述べた。
そのベット数は5月12日現在で重症対応71床、中軽症対応438床の計509床を確保。「このうち使われているのは216床で約300床が空いている。設備が整った重症者の71床だけをみても約40床のゆとりがある。軽症者に対してはホテルなど約700室を確保している。今の状況が続く限り、破たんしないが、第2波、第3波への備えを怠らないことが大切」。
自粛が長引くなかで、生活や経済との両立を模索する状況になりつつある。西播磨や但馬など発症者がいない地域の対応や、休業要請緩和の業種などにも関心が集まる。「そういう意味で政府の専門家会議の方向付けは大事。その結果を踏まえて兵庫県の対応を検討していきたい」と話した。
※ラジオ関西「こちら知事室!井戸敏三です」2020年5月12日放送回より