政府が21日にも8都道府県に出している緊急事態宣言の解除を判断することなどをめぐり、全国知事会は20日、対策本部会合を開き、国への緊急提言などについて議論した。
兵庫県の井戸敏三知事は会合で「新型コロナウイルスの感染拡大で、日本列島の脆弱性があらわになった」と持論を展開。「ポストコロナ社会は、東京一極集中の是正が国土政策のカギになるだろう」と強調した。
また、緊急事態宣言の解除に向けた議論が「前のめりすぎないか」と懸念を表明。「7日に宣言を解除してから14日(2週間)経って、外出自粛などの効果が表れるのではないか」としたうえで、「(政府の議論が)拙速すぎるのでは」と指摘した。
政府は自治体に配る臨時交付金として今年度の補正予算で1兆円をすでに確保しているが、「リーマンショックの後には、ハード対策の交付金があった」として、最低でも3兆円を確保するよう訴えた。映画館や劇場、遊興施設などへの換気設備の導入などを想定する。
併せて井戸知事は、接客を伴う飲食店やスポーツクラブなどの、いわゆる「クラスター」が起きた施設について、「仮に緊急事態宣言が解除されても、原因の究明が先」と、休業要請の緩和が一律とはならないとの見通しを示した。