神戸の中華街・南京町で28日、新型コロナウイルス感染症の終息と亡くなった人を追悼する「新型コロナウイルス終息祈願祭」が開かれた。
祈願祭は緊急事態宣言の解除を受け、南京町商店街振興組合が企画した。商店街中心部の南京町広場には春節や中秋節でも祈祷を担う宝珠寺(神戸市中央区)をはじめ神戸真言宗連合会の僧侶、商店主ら約60人が新型コロナウイルス感染症の犠牲となった人々の黙とうを捧げ、経済活動の復活を誓った。
中国で新型コロナウイルスが流行し始めた1月以降、次第に客足が遠のき、4月に緊急事態宣言が発令されてからは南京町の約200店舗のうち9割近くが休業。現在、営業を再開している店舗は休日でも半数にとどまり、商店街全体としての再開は6月以降となる見込み。
祈願祭終了後、南京町広場の周辺にある十二支とパンダの石像に着けていたマスクも取り外すなどして1日も早い終息を祈った。
■南京町商店街振興組合理事長・曹英生さん
「緊急事態宣言が解除され、日常に少しずつ戻ってほしいという『のろし』を上げるために動物に着けていたマスクをあえて外しました。25年前の阪神・淡路大震災の炊き出し、11年前の新型インフルエンザでは獅子舞、いずれも南京町が一丸となって皆さんを励まし乗り越えてきました。今回はこうした形で祈願しましたが、ことしの中秋や来年の春節には今までにないスタイルの催し物を展開したいです」
■マスクを制作した「ブリリアント・ウィズ」代表・高階敏子さん
「(十二支プラスパンダの石像にマスク・制作を担当)お役に立てて嬉しいです。このつながりを大切にしたいです。きょうは思い切って動物たちのマスクを取って、これからも南京町の人気者になればと思います」