2012年から通天閣5階の展望フロアに鎮座しているいまの3代目ビリケンさんの背中に10センチほどのひび割れが3か所もあることがわかり、臨時休業期間を利用して京都市の仏像製作所「松久宗琳佛所」で修復作業が行われた。8年間の汚れを布で落とし、背中のひび割れは樹脂で埋め、新たに全身に金粉を施した。また触ると願い事がかなうと伝えられている足の裏にも絵の具を塗り重ねている。
通天閣の入場者数はここ数年、年間100万人を超えていたが、新型コロナウイルスの影響で3月には去年と比べて60%減となり、4月7日に緊急事態宣言が発令されてからは1日30人という最低入場者数を記録。4月9日から約2か月間、休業していた。その間「各地の観光スポットのお菓子が売れ残り困っている」という声を聞き、入場料がいらない地下1階のスペースを使って半額で販売するなどしていた。
運営する通天閣観光の高井隆光社長は「ビリケンさんもちょっと疲れて入院していたけど、見違えるようにキラキラに。真打ち登場です!ご利益も増したはずなので、コロナ禍を吹き飛ばす象徴になってほしい。外出自粛と休業要請で通天閣一帯はゴーストタウンのようになってしまった。このピンチの期間をチャンスに(大阪モデルの基準達成を示す)緑のライトアップが希望の光となって、これからも関西を元気づけられたらと思います。但しビリケンさんには『エア・タッチ』でお願い事をして下さいね!」と意気込む。
営業時間は当面の間、9時から21時(最終入場20時30分)。来場客にもマスク着用やソーシャルディスタンスの確保を呼び掛ける。