コロナ後の芝居を模索 神戸出身の劇作家・菱田信也さん 三宮シアター・エートー | ラジトピ ラジオ関西トピックス

コロナ後の芝居を模索 神戸出身の劇作家・菱田信也さん 三宮シアター・エートー

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「実は以前から公演のライブ配信は考えていた。劇場の定数以上の人に見てもらえる可能性がある」

 その第1弾が、6月12日に行われる神戸出身の和太鼓奏者・木村優一さんの公演。公演自体は無観客だが、木村さんのYouTubeチャンネルで無料配信される。さらに7月の24~26日には、4月末に予定していた主宰する劇団公演も準備している。こちらは定数の半分の50席にお客さんに入ってもらう予定だ。

 菱田さんは「赤字覚悟。とにかく実験してみようと思う。来たくても来れない人のためにライブ配信も考えている。そうした形で今後は落語や講談なども送り出せればと思っている」

 演劇という、ひとつの劇場空間で共有する独特の空気感や感覚。これまではそれが最大の魅力だった。だが、今は新型コロナ前とは大きく異なってしまった。

「2か月でお客さんの意識もかなり変わったと思う。これからはそれを前提に作っていくことを考えなければならない。7月予定の公演も、舞台に20人以上も上がるので、3密どころじゃない。役者が立つ場所とかも考えなければいけない」と菱田さん。演劇や芝居はその時代を映す鏡とも言われる。新型コロナウイルス出現の今の時代に、どんな新しいものが生み出されていくのか。

「これからはそれらを前提に、新しい作り方を模索しなければいけない」

 そう話す神戸生まれの作家はこれから何を仕掛け、生み出していくのか。目が離せない。

菱田信也

菱田信也(ひしだ・しんや) 1966年神戸生まれ。劇作家、演出家、脚本家。神戸三宮シアター・エートーで芸術監督をつとめる。これまでに「再生の町」(2009年、NHK)、「グ・ラ・メ!~総理の料理番~ (2016年、テレビ朝日)など、多くのテレビドラマの脚本を執筆。2006年、「パウダア~おしろい~」で第57回読売文学賞(戯曲シナリオ部門)受賞、2019年神戸市文化奨励賞など受賞多数。菱田信也さんの最新刊、シアターエートーが誕生するまでと、これまでの奮闘を描いた「芝居小屋戦記 神戸シアター・エートーの奇跡と軌跡」が4月に苦楽堂から出版された。書店などで販売中。定価1600円(税別)。


神戸三宮シアター・エートー
http://www.a-to-kobe.jp/

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