神戸市は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、台風シーズンを踏まえた避難所での対応方針をまとめた。避難所は一般的に「密」になりやすい環境と指摘されるため、新たなマネジメントのあり方が問われる。
■まず自宅の状況確認から
台風・大雨シーズンを前に、過密な状況が想定される避難所での感染リスクを軽減するため、神戸市ではまず自宅の危険性を確認するよう呼びかけている。比較的しっかりした構造の建物の上層階など、自宅が安全な場合は避難所ではなく自宅で「その場避難」、自宅が危険でも親戚や知人など安全な場所が確保できる場合は非常持ち出し品を持って「分散避難」、いずれも難しい場合は緊急避難所への避難が求められている。
■検温・手指消毒・マスクは必須
避難所へ避難する場合は、職員が受け入れ時に検温する。マスクの着用や手指消毒も実施。避難所内は、1人あたりの占有スペースを一定の広さで確保できるようテープや間仕切りを使って区画され、入口を開放するなど換気も積極的に行う。
避難者のうち、発熱や咳といった症状がある場合は別室へ案内され、ICTを使ったリモートでの健康相談などが受けられるように整備を進める。占有スペースは16平方メートルを基準とし、受け入れ人数が増えた場合は4平方メートルで区画。
■妊婦などに宿泊費補助も
また妊婦や重症心身障害児者が、避難所での感染を恐れて避難をためらうことがないよう、市内のホテル・旅館などの宿泊施設に避難する場合、1人あたり最大7,000円の宿泊費を助成する制度も設けている。