女子中学生レーサーJuju 初舞台は難コース 6・20 F4シーズン開幕 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

女子中学生レーサーJuju 初舞台は難コース 6・20 F4シーズン開幕

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 新型コロナウイルス感染拡大を受けて延期されていた欧州デンマーク「F4 デニッシュ チャンピオンシップ」は6月20日に開幕。女子中学生のフォーミュラ・カー・ドライバー、「Juju(ジュジュ)」こと野田樹潤さん(14)がいよいよデビューする。これまでの練習走行でレコードを塗り替えるなど絶好調のJujuだが、初戦の舞台となるユトランドリンクは、事前の練習走行が禁じられているため初めての挑戦となる。鮮烈なデビューとなるか、欧州のレーシングファンもその天性の才能に注目している。

待ちに待った開幕戦。ガッツポーズのJuju
待ちに待った開幕戦。ガッツポーズのJuju

 Jujuは、元F1レーサーで、父親であり、チームの監督でもある野田英樹さん(51)の影響で3歳のときからカートに乗り始め、5歳でプロのレーシングドライバーになることを決意。以来、様々なレースで最年少記録を更新してきた。

 2017年からはF4の世界に入り、11歳で臨んだU17のデビュー戦で優勝。国内最終戦となった2019年11月の岡山国際サーキットでのレースでも、コースレコードをマークし、頂点に立った。日本では年齢制限で出場できるレースに限りがあることから、今年1月にデンマークに渡り、「F4 デニッシュ チャンピオンシップ」に本格参戦することになった。

 5月9日の開幕に向けて、欧州各地のコースで練習走行を重ね、3月からはいよいよデンマークに入り、マシンの最終調整を進めるというところで、新型コロナウイルスによる猛威がヨーロッパを襲った。練習走行では、チーム数や人数が限られるなど、マシンの調整が思うに任せぬ状況が続いたが、集中を切らさず準備に取り組んだ。

 当初、開幕戦の舞台となるパドボーグパーク・サーキットで行った4月の練習走行では、雨にもかかわらずトップタイムを記録。その後、コースが乾いたコンディションでは2番手に大差をつけ、しかも2019年の予選最高タイムを上回る内容だった。好調はその後も続き、マシンの調整に重点をおいたテスト走行にもかかわらず、自身のベストタイムを更新し、コースレコードをも上回った。

チームが仕上げたJujuのマシン。難コースをトップで走り切れ
チームが仕上げたJujuのマシン。難コースをトップで走り切れ

 二度の延期を経て、いよいよシーズンが始まるが、舞台となるユトランドリンクは、新旧ふたつのコースの複合レイアウトが特長。デンマークでは最もテクニカルで、フィジカル的にもハードなサーキットとされる。しかも、規則により、このコースでの事前練習走行が禁じられているため、Jujuにとっても、チームにとっても初めての挑戦となる。

「旧コースの路面は跳ねやすく、滑りやすいと聞いている。タイヤにとっても非常に厳しいコースだ。路面状況が全く異なるコースに対応したマシンのセットアップはできないので、Jujuの対応力がカギとなる」と野田さん。レースは1周2.3キロのコースを15分プラス1周でスピードを競う。

 コロナ対応で無観客でのレースとなるが、これまでの走りで「アジアからやってきた14歳の少女レースドライバー」への注目は現地でも高まっている。レースが中止されるたびに気持ちをリセットしてきたJuju。「モチベーションを維持するのが大変でしたが、メンタルとフィジカルの両面でレベルアップできたと思っています。慣れないサーキットでの開幕となりますが『負けても負けてもあきらめない』つもりで挑みます」と話している。

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