秘めた能力全開 欧州F4 デビューウインのJuju オーバーテイクでファン魅了

LINEで送る

 欧州デンマークの「F4 デニッシュ チャンピオンシップ」でデビューウインを果たした女子中学生レーサー、「Juju(ジュジュ)」こと野田樹潤さん。ポール・トゥ・ウインの第1戦に続いて、6月21日の第2戦、第3戦も、Jujuの能力が存分に発揮された。順位を競う激しいバトルがカーレースの見どころとも言われるオーバーテイク。激しい追い上げを演じるJujuのマシンに、地元メディアのカメラもくぎ付けとなりレースファンを魅了した。

カーレースの見どころと呼ばれるオーバーテイクで驚きの能力を発揮したJuju。アグレッシブな走りはファンの記憶に焼き付いた(Jujuの公式サイトから)
カーレースの見どころと呼ばれるオーバーテイクで驚きの能力を発揮したJuju。アグレッシブな走りはファンの記憶に焼き付いた(Jujuの公式サイトから)

 通常レーススタートの順番は、第1戦のように予選タイムの速い順となる。ところが速い車がそのまま独走し、レースの醍醐味である抜きつ抜かれつのバトルが少ないとも言われている。

 このため18台が参加した第2戦は、第1戦の上位の順位が逆になるリバースグリッドと呼ばれるスタートが採用された。第1戦でトップのJujuは8番手からのスタート。このレースで4位までに入れば、第3戦で再びポールポジションの権利が得られる。

 日本で敵なしだったJujuは、常にトップを独走するレースしか経験がなく、欧州の強者たちを追いかけ、追い抜く状況は初めて。対応できるかは、元F1レーサーでチームの監督でもある父親の野田英樹さん(51)にとっても未知数だった。

 それでも、Jujuは野田さんも驚くようなテクニックで、先を走るマシンを次々に抜き去り、3位まで順位を上げた。しかも最後は「第3戦のためにタイヤの消耗を考えて」という冷静な試合運びでゴールした。

 ところが、レース後の車検で装着したタイヤを巡るミスが判明し、結果は「失格」に。第3戦は、獲得したはずのポールポジションから、痛恨の12番手からのスタートとなった。「足を引っ張ってごめん」と謝る野田さんに。Jujuは「こんなことはあること」と、アスリートらしい対応。気持ちを切り替えて臨んだ第3戦で、一気に驚きの能力を開花させた。

 Jujuのマシンは、第2戦の悔しさを晴らすかのように猛烈な追い上げを見せ、エキサイティングなマシンのバトルに、テレビカメラも先頭車を追うより、Jujuの“オーバーテイク・ショー”をマークするようになった。

 レースは、後続車の度重なるトラブルで、セーフティカーがレースのペースをコントロールする中断が入り、実質8分間のレースとなった。それでもJujuは前を走る9台を次々に抜き去り、3位まで順位を上げる壮絶なバトルでファンを沸かせた。

 高速コーナーでの駆け引きで、一つ間違えばアクシデントにつながりかねないオーバーテイク。野田さんは「日本ではトップを独走するレースしかしてこなかったのに、Jujuはどこであんなテクニックを身に着けたのか……」と驚くばかり。優勝、失格、3位と落差の激しいデビューとなったが、アグレッシブな走りは、欧州のファンの目にもしっかりと焼き付いた。

 Jujuは、「バトルを展開してたくさんの車を抜くことができたのがとても楽しく、自信につながりました。失格は悔しかったけど、今はすがすがしい気持ち。精一杯力を出し切れました」と話している。

壮絶なバトルでファンの目をくぎ付けにしたJujuのマシン
壮絶なバトルでファンの目をくぎ付けにしたJujuのマシン

関連記事