真夏も通学する子どもたちを守れ!大阪の医療機器・特殊素材メーカーが学童用スマートマスク開発 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

真夏も通学する子どもたちを守れ!大阪の医療機器・特殊素材メーカーが学童用スマートマスク開発

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◆学童用熱中症対策を兼ねた画期的な新製品

 医療機器と競泳用水着、ウェットスーツなどを扱う特殊素材メーカーの山本化学工業株式会社(本社:大阪市)は、真夏でも使用できる「学童用スマートマスク」の開発・製造を行い、このほど製品化に至ったと、記者会見で発表した。

 新型コロナウイルス感染防止に必要とされる「マスク」だが、本格的な夏を迎え、使用に際して「暑さ」が問題となっている。今年は休校などにより夏休みが少なくなることも重なり、真夏の通学を余儀なくされる現状に対して、「学童用スマートマスク」の開発・製造を経済産業省から強い要請を受けたこともあり、山本社長自ら陣頭指揮を執り製品化を検討。生産ラインの変更等を行い、このたび完成した。

『ビオラ シールドマスク ジュニア』
山本化学工業株式会社の学童用スマートマスク『ビオラ シールドマスク ジュニア』

 同社によると、学童用スマートマスク『ビオラ シールドマスク ジュニア』は、蒸発による気化熱を利用して、マスク内の温度を大幅に下げることに成功した。マスク表面に水をスプレーまたは手で濡らし、10~15秒でマスク内の温度が「気化熱を奪われる」ことにより下がるというもの。効果は約1時間。独自技術による3層構造のため、表面の水分は内部に浸透することはない。

 外気温が約30℃(最高気温30℃以上のとき・真夏日)の場合、マスク内温度を最大約2.5℃下げ、外気温25℃(最高気温が25℃以上のとき・夏日)の場合、同温度を3.5℃下げることが可能となる(※山本化学工業調べ)。濡らしてもすぐに乾く工夫がなされており、子どもが帰宅後すぐに洗えば数時間で乾くので、メンテナンスフリーで保護者の方々の手間も省ける。次の日に同じマスクを使用しても衛生的である。

サーモグラフィカメラでの検証結果 約30℃の室温条件 マスク着用前(山本化学工業株式会社調べ)
サーモグラフィカメラでの検証結果 約30℃の室温条件 マスク着用前(山本化学工業株式会社調べ)
サーモグラフィカメラでの検証結果 約30℃の室温条件 着用15分後(山本化学工業株式会社調べ)
サーモグラフィカメラでの検証結果 約30℃の室温条件 着用15分後(山本化学工業株式会社調べ)

 不織布を使用した、いわゆるサージカルマスクの供給も今のところ不安定であるなか、一般の使用による医療機関への供給不足の解消に役立てたいと開発され、先進国である日本において「使い捨てマスクを医療現場以外の人が大量に使用する時代は終わらせたい」との経済産業省の指針に沿った形となり、SDGsのコンセプトからも、持続可能社会時代のマスクといえるだろう。

 3層構造の特殊シールドフィルター(ハイブリッドフィルター)一体型マスクは同社が通学時の子どもたち行動パターンを数多く検証し、子どもらしく少々走ったりはしゃいだりしても空気の吸い込み量を確保できる素材を導入。空気の吸い込み孔(吸い込むための穴)を多くし、3次元縫製により鼻・口とマスクのスペースを大きく形成することにより「息苦しさを軽減」する工夫が凝らされている。

 記者会見のなかで、山本化学工業株式会社の山本富造社長は「アメリカや中国、また日本においてもエアコンの吹き出し口からの空気による感染が報告されている。まだまだ油断はできない。また、日本では、これから本格的な暑い夏に、頑張って学校に通い勉学に励む子どもたちが電車・バスに乗るときにどうしても『3密』の状況が発生する。これまで通りのうがい・手洗いはもちろん継続してもらうなか、子どもたちのマスク着用による『暑さによる熱中症対策』が大きな問題となって来る。山本化学工業の『ウェットスーツ用』に開発された独立気泡体の中に熱伝導率の低い窒素ガスを封入する独自の特許技術、また北京オリンピックの時に競泳用水着に挑戦した経験が組み合わさり、長い年月を経てこのような『スマートマスク』の制作に転用できるのは、たゆまぬ試行錯誤や研究の成果。頑張る子どもたちを守り、保護者の皆さんのお役に立てればうれしい」と語った。


山本化学工業株式会社
http://www.yamamoto-bio.com/

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